今回は、定期借家の再契約における敷金・原状回復の取扱いについて見ていきます。※本連載は、株式会社リーシングジャパン代表取締役、沖野元氏、不動産コンサルタント、林浩一氏の共著『賃貸の新しい夜明け』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、定期借家契約のメリットと定期借家契約を実際に活用する際のポイントを紹介します。

敷金、明渡し期日とその通知に関する約款

本書『賃貸の新しい夜明け』巻末の資料集にある国土交通省作成の定期借家契約では、再契約における敷金の取扱いについて下記のようにされています。

ここでいう第13条とは、明渡し期日とその通知に関するものです。また、後半の第6条第3項とは、敷金に関する内容で、下記のようにされています。

 

原状回復義務は再契約後も引き継がれる

つまり、再契約の場合に敷金は明渡しがあったものとして返還する必要があるとなっています。しかし、そこで敷金を返還しても、再契約でまた敷金を預けてもらうことになりますので、実務上はそのままということになります。ただし、再契約において家賃の増減があれば、敷金もそれに合わせて増額分を預け入れてもらうか、または減額分を返還することになります。

 

再契約における原状回復の取扱いについても、先ほどの第17条第2項を再度ご覧ください。原状回復義務は再契約後に引き継がれるということになります。なお、これらの再契約における敷金・原状回復の取扱いは、特約として記載する条項です。

本連載は、2015年8月刊行の書籍『賃貸の新しい夜明け』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

賃貸の新しい夜明け

賃貸の新しい夜明け

沖野 元,林 浩一

週刊住宅新聞社

長らく旧態依然としていたこの不動産業界にも、大きな波が来ています。人々のライフスタイルの変化による波が、住まい方の変化にも及んできています。 こうした時代の変化に、不動産業者も大家さんもついていくしかありません…

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