2024年税制改正で“贈与の常識”が激変。夫婦で220万円の「ハイブリッド贈与」も、相続直前の「駆け込み贈与」も可能に…最新「相続時精算課税制度」活用術【公認会計士が解説】

2024年税制改正で“贈与の常識”が激変。夫婦で220万円の「ハイブリッド贈与」も、相続直前の「駆け込み贈与」も可能に…最新「相続時精算課税制度」活用術【公認会計士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

2024年の税制改正により、「相続時精算課税制度」はこれまでとは大きく異なる、使い勝手のよい制度へと生まれ変わりました。とりわけ注目されているのが、新たに導入された「年110万円の基礎控除」と「持ち戻し不要」というルールです。本記事では、相続税対策の専門家である岸田康雄税理士が、相続時精算課税制度の上手な活用方法と、見落とされがちな注意点についてくわしく解説します。

相続時精算課税制度は、一度選ぶと戻れない“片道切符”

ただし、相続時精算課税制度には、いくつか注意すべき「落とし穴」も存在します。まず注意すべきが、制度の不可逆性です。一度、特定の贈与者について相続時精算課税制度を選択すると、その後は二度と暦年課税に戻すことができません。

 

あとになって「やっぱり暦年課税のほうが有利かも」と気づいても、変更は不可能です。この選択は長期的な資産戦略に直結するため、安易な判断は避けるべきです。

 

申告遅れで一気に課税されるリスクも

また、「申告期限」にも注意が必要です。基礎控除(110万円)を超える贈与があった場合、翌年3月15日までの申告が必要です。これを1日でも過ぎると、

 

・2,500万円の特別控除が使えない

・超過分に一律20%課税

・無申告加算税・延滞税が発生

 

といった厳しいペナルティが課されます。本来であれば税額ゼロで済んだはずが、数十万円単位の負担が発生するおそれがあります。

 

メリットとデメリットを理解し、慎重に判断を

2024年の税制改正により、相続時精算課税制度はぐっと使いやすくなりました。一方で、「一度選ぶと戻れない」「申告ミスで大きな税負担につながる」といったリスクも存在します。

 

この制度は、節税のためだけに使うものではなく、家族の資産をどのように受け継いでいくかを決めるうえで、重要な選択肢のひとつになります。

 

したがって、メリットとデメリットを正しく理解し、自身の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。迷った場合には、相続に強い税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

 

 

岸田 康雄

公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

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