AIに狙われないための秘策…AIの特性を「逆手に取る」
では反対に、AIが“見逃す人・会社”にはどのような特徴があるのでしょうか。筆者は次の3点を予想します。
1.書面添付制度の活用
税理士が決算書に「この数字の異常はこういう理由です」と事前に説明を添付する制度です。
AIは理由のない異常値を検知するので、事前に理由を明示しておけば「仕方ない」と判断されやすくなります。
また、書面添付があると、いきなり実地調査ではなく税理士への意見聴取から始まり、説明で疑問が解消されれば調査自体が省略されるケースもあります。手間はかかりますが、2026年以降は特に有効でしょう。
2.事業概況説明書の活用
決算書の表紙部分にある「適用欄」や「業績の概要」欄を活用します。
ここに売上変動の理由(主要取引先の契約終了など)を書いておけば、AIが異常値を拾っても事前に説明がつきます。自然言語処理が進んでいるので、しっかり読み込んでくれます。聞かれる前に先手を打つのが重要です。
3.経理の完全デジタル化
調査官がタブレットで即座にチェックする時代なので、こちらもデータを即検索・提示できるように準備します。証拠をすぐ出せれば、怪しまれるリスクが減ります。
税務調査を回避するもっとも確実な方法
ここまで色々と書いてきましたが、税務調査を回避するもっとも確実な方法は、「適正な申告を徹底すること」です。
AIの目を欺くための小細工や二重帳簿を作る労力があるなら、正しく申告して本業に集中した方が効率的でしょう。正当な節税については隠さず、理由をきちんと説明する姿勢が大切です。
2026年からは経営の透明性がより試される時代になります。「バレなければいい」という考えはもう通用しません。
AIは不自然な差を検知するツールに過ぎないので、実態を正確に数字に反映させ、背景・ストーリーを言語化して伝えれば、AIは適正な納税者として認識してくれます。AIを敵に回すのではなく、味方につける気持ちで取り組みましょう。
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黒瀧泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
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