まだまだある「今後の税務調査」のポイント
■データの一元化
これまでは法人税、所得税、相続税などで担当部署が分かれ、情報の連携が不十分でした。実際、縦割り行政の弊害によって、法人税で問題があっても相続税まで波及しないケースがあったようです。
KSK2ではこれが解消され、会社の法人税データ、代表者の所得税データ、家族の相続税データ、消費税の申告状況まで横断的に分析されます。
たとえば、会社のお金を私的に使っていたり、奥様のブランドバッグ購入を経費にしていたりすると、個人カード履歴と照合されて一瞬でバレる可能性が高まります。
■調査官の“武装化”
これまでは紙の資料やノートでアナログに帳簿を確認していましたが、KSK2からはタブレットを持ち込み、その場で国税のデータベースにアクセス可能になります。
曖昧な説明をしても、すぐに取引先のデータや相手先情報を検索され、「言っていることとデータが違いますね」と言われるリスクが増します。言い訳や時間稼ぎが通用しにくくなるということです。
■引っ越しの逃げが効かなくなる
昔は税務署の管轄が変わるとデータの引き継ぎに時間がかかり、優先順位が下がって調査が来ないケースがありました。
しかし、KSK2は全国一元管理なので、北海道から沖縄への引っ越しでもデータが即座に追跡されます。不自然な引っ越しを繰り返すと逆に怪しまれ、むしろ調査のきっかけになるかもしれません。
AIに狙われやすい人・会社の特徴
AIが税務調査対象を決める際の主な判断基準は次の3つです。
1.同業他社との比較
AIは平均値からの乖離(異常値)を検知します。
たとえば建設業で、同規模の平均と比べて交際費の割合が極端に高い、利益率が異常に低い場合など、すぐにピックアップされます。また特殊事情があっても、数字上の異常値として注目されやすいです。
2.自社内での不自然な変動
売上が急増しているのに利益が変わらない・減っているケース、期末に経費が急増するケース、貸付金や預り金の残高が変動するケースなどです。
理由があれば問題ありませんが、AIは事実として拾うため、注目されやすくなります。
3.取引先情報との照合
インボイス制度で取引がデジタル化されているため、取引先の申告データと自社のデータが一致しないと即座にアラートが出ます。
反面調査のデジタル版のようなもので、自分だけ完璧に帳尻を合わせても相手側のデータから足がつきやすくなります。
