(※写真はイメージです/PIXTA)

企業で管理職に就けば収入は安定し、生活にも余裕が生まれる――そうしたイメージは今も根強くあります。しかし実際には、税や社会保険料の負担増により可処分所得は伸びにくく、責任と負担ばかりが増えると感じる管理職も少なくありません。昇進が生活の安定につながるとは限らない現実が見えてきます。

管理職でも貯蓄が進まない理由

老後資金の準備を進めたいと考えてはいるものの、実際には余剰資金が限られている――。山田さんはそうした現実を率直に語ります。

 

「投資や貯蓄に回したい気持ちはあります。でも現役時代に余裕がないと難しいんです」

 

再雇用で収入が下がることはわかっていても、十分な備えができないまま時間が過ぎていくことに不安を感じているといいます。

 

背景には、給与水準と生活実感のあいだに生じる構造的なズレがあります。近年は社会保険料や税負担に加え、生活費そのものも上昇しており、額面賃金が伸びても可処分所得は増えにくい状況が続いています。そのため「昇進しても生活は楽にならない」という感覚は、山田さん個人の問題ではなく、多くの管理職世代に共通する実感になりつつあります。

 

現役期の収入は外から見れば高く映りますが、実際には可処分所得は限られ、定年後には再雇用による収入減や年金水準との落差が待っています。こうしたギャップがあるからこそ、現役期からの資産形成が重要とされますが、現実にはそのための余力を確保できない管理職も少なくありません。

 

昇進すれば生活は安定する――かつて当然視されていた前提は揺らいでいます。家計と老後の設計が個人の準備に大きく依存する時代において、管理職であっても老後不安を抱える状況は、決して例外ではなくなりつつあります。

 

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