医師免許と理工系の素養を併せ持つ人材の育成
現在、「奈良県立医科大学・早稲田大学 基礎医学・社会医学系研究医養成コース」は、教育プログラムとしてしっかりと根を下ろしている。先に簡単に仕組みを説明したが、改めて詳細を紹介しよう。
対象となるのは、早稲田の先進理工学部、創造理工学部、人間科学部から選抜された編入学生と、奈良医大の学部生から選抜された学生だ。
早稲田から編入後、5年間の教育課程を基本として、学生は奈良医大を卒業後、医師免許を取得する。その後、医師臨床研修を受け、臨床的素養を身に付けた上で、奈良医大または、関西医大、早稲田の大学院に進み、最終的には基礎医学や社会医学の分野で研究者として活躍するというキャリアプランだ(図表参照)。
特徴的なのは、医師免許と理工系の素養を併せ持った「複合型人材」を育成する点である。分子生物学やゲノム研究といった基礎医学分野はもちろん、人工知能やデータサイエンスを活用した医療研究、公衆衛生政策や医療経済学といった社会医学の領域においても、新しい研究の芽がここから育つ可能性は大きい。
ちなみに、関西医大もその後、独自に「研究医養成コース」を開設したが、本学も連携大学に加わって、相互に協力し合う関係を築いている。
研究医養成の道のりは、決して一朝一夕で成果が現れるものではない。学生が医師として臨床研修を終え、大学院に進学し、独立した研究者として歩み始めるまでには10年以上の歳月がかかる。つまり、研究医養成コースは未来を見据えた長期的な投資であり、日本の医学界に持続的な力を供給する仕組みでもある。
奈良医大、早稲田、関西医大という枠を超えた連携が形を取り始めて十余年。基礎医学・社会医学の分野で新たに挑戦しようとする若者は、少しずつではあるが着実に増えている。
細井 裕司
奈良県立医科大学
理事長・学長
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