新NISAが起こす「新たなトリクルダウン」とは
──ここで私は懺悔します。
この原因のひとつに、「残念ながら『トリクルダウン』は起きなかった」ことが挙げられます。
私が初当選したのは、2005年です。あの時期以降、よく聞かれた議論として「トリクルダウン」という言葉がありました。このトリクルダウンというのは、まずは大企業が儲かれば、やがてその富は滴り落ちるようにその下の中小企業や地方、そして私たち個人に広がっていくという考え方です。たとえるならシャンパンタワーのようなイメージでしょうか。
しかし、この20年のデータが示したとおり、日本では残念ながらトリクルダウンが起きなかったのです。大企業が儲けた利益は中小企業や地方、個人に滴り落ちることはなく、そこで溜め込まれてしまいました。これが現実です。では、私たちはどうすればこの構造を変えられるのでしょうか。
じつは新しい「トリクルダウン」の手法が提案されています。それが「貯蓄から投資へ」です!
政府は判断しました。企業が利益を十分に賃金として回さないのであれば、国民自身が企業の利益に直接アクセスできる仕組みをつくるしかない、と。その答えが、「新NISA」です。
新NISAでは、
- 株式の値上がり益
- 配当金(企業の純利益の分け前)
が非課税になります。
これは、政府の明確なメッセージにほかなりません。
「企業が賃金として利益を回さないなら、国民には株主となって利益を受け取ってほしい」ということです。大企業が儲けた利益が滴り落ちるところに、受け皿を用意して、それを国民に受け取ってもらう。つまり「新NISA」は、今度こそ「トリクルダウンを実現する」ための制度なのです。
私はこの制度の本質を理解したとき、強烈に感じました。ようやく、日本にも資産所得を家計に届ける仕組みが整った、と。これを使わない理由はどこにもありません。
「新NISA」による投資は、国民にとって“第二の給与”になります。
これからの日本では、給与所得だけに依存する生活ではますます厳しくなります。しかし株価が下がり、経済が低迷するリスクを「政治」が選択できる可能性は低く、企業に対する優遇はこれからも変わりません。儲ける環境が整った企業は、これからも利益を上げ続けるでしょう。その企業の利益が、配当として私たちに届きます。新NISAを使えば、その配当は非課税で積み上がります。
だから私は、新NISAによる投資を「国民にとっての第二の給与」と捉えています。いま投資をしていないということは、ひとつの収入源を放棄しているのも同然だというのが私の考えです。
だから私は、いまからでも遅くないから、「株を買う」ことを強く勧めています。
もちろん、冒頭でもお伝えしたとおり、投資は自己責任です。リスクはあります。ただ、何もしないリスクも十分意識するべきです。
