「家賃補助がなくなると、もう住めない…」大手製薬会社・退職金3000万円の60代バツイチ男性が、定年後に東京を捨てて〈年金10万円の母〉が暮らす岡山の実家へUターン移住した切実な事情

「家賃補助がなくなると、もう住めない…」大手製薬会社・退職金3000万円の60代バツイチ男性が、定年後に東京を捨てて〈年金10万円の母〉が暮らす岡山の実家へUターン移住した切実な事情
(※写真はイメージです/PIXTA)

「持ち家か、賃貸か」 この論争も、60代の退職後という視点でデータを見ると、「満足度の差」が現れてきます。60代6000人を対象とした調査によると、生活全般に満足している人の8割以上が「持ち家」でした。その背景にあるのは、単に家賃がかからないという点だけではありません。地方への移住や住み替えを選択した際、自宅が「資産」として機能し、老後資金にゆとりを生み出す選択肢を持てるかどうかが、心の余裕に繋がることも。本記事では、野尻哲史氏の著書『100歳まで残す 資産「使い切り」実践法』(日本経済新聞出版)より、定年後に地方へ移住した3人の事例から、持家賃を払い続ける賃貸派にはない、持ち家派ならではの「出口戦略」について解説します。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)

 

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

 

退職を機に地方都市へ移住した60代

次はちょっと定性的な目線です。退職を機に地方都市に移住した60代の方30人にインタビューを行っていますが、そのなかから住宅にまつわるエピソードを3つ紹介したいと思います。

 

定年後にUターン移住…実家の母と年金計23万円で暮らすバツイチ男性

定年を機に倉敷に移住されたKさんは、大手製薬会社で営業職を続けてきました。奥様とはかなり前に離婚し、退職を機に一人暮らしの母との同居を始めました。

 

現役時代は、単身で転勤も多く家を買う気は全くなかったようです。家賃補助などが手厚いため、何となく良いマンションでの賃貸生活を続けていました。しかし、定年になると家賃負担が一気に重く感じるようになり、実家に戻る決心をします。

 

現役時代、ずっと賃貸で過ごすとしても、退職後は賃貸から脱したいとの気持ちがどこかにあるものです。それはKさんのように現役時代に手厚い住宅補助があればあるほど、定年後の住宅コストの負担ギャップを大きく感じるからでしょう。

 

築年数が古くてもKさんのように実家があれば、その対応は可能になります。また現役時代に賃貸生活で過ごしたとしてもその間に資産形成を進めることで、定年時に“終の棲家”を購入することも可能になります。

 

ただKさんは現在、完全な無職。退職金3000万円は手付かずに残っており、自身の厚生年金13万円程度と母親の遺族年金10万円で「普段の生活に特に不自由はない」とのことです。

 

とはいえ実家は築年数の経過で近い将来の住宅のリフォーム費用が懸念され、また母親の介護が必要になったときにどうなるのか、自分が1人になったときにどういった生活になるのかは気になっている様子でした。

 

値下がり続くマンションを「半値」で売却→幼少期を過ごした岡山に移住した独身男性

一方で、現役時代にマンションを購入して、それをうまく活用して退職後の移住生活を乗り切っている人もいます。

 

68歳(2022年2月当時)、独身のTさんは、神戸で生まれて、子どもの頃岡山に引っ越しました。

 

大学受験に失敗し、それから10年ほどはアルバイト三昧の生活でしたが、1982年、28歳のときに入社した全国チェーンの小売り会社に腰を落ち着け、結局65歳まで勤めることになります。その会社ではフランス駐在も含め、営業で全国を巡る日々を続け、60歳の定年後も、嘱託社員として働き、65歳で退職し、岡山に移住しました。

 

現役時代、Tさんは藤沢にマンションを持っていました。1994年に4850万円で購入した70m2のマンションは値下がりし続け、岡山引っ越し時の売却価格は2650万円と半額程度でした。しかし岡山の80m2強のマンションは2390万円で購入。半値になった藤沢のマンションの売却額で、少し大きなマンションを購入することができたわけです。

 

定年後に物価の安い地方都市に移住することを想定すると、大都市のマンション価格下落も、安い物件に買い替えるとすれば、決して心配ばかりではないように思います。総合的なライフプランこそが重要な視点になります。

 

次ページ東京のマンションを売って、長崎に買い替えたら「1000万円」浮いた…転勤族の夫婦が40代から準備していた老後計画

※本連載は、野尻哲史氏による著書『100歳まで残す 資産「使い切り」実践法』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

100歳まで残す 資産「使い切り」実践法

100歳まで残す 資産「使い切り」実践法

野尻 哲史

日経BP

物価高に株価の乱高下……退職後に起こる「不測の事態」に慌てず、楽しく、安心して資産を使い切るために必要な考え方とは? 「運用しながら使う」ことで手持ち資産の寿命を伸ばす資産取り崩しの実践的な方法を紹介します。…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧