一次でも三次でもない「二次救急」の矜持
日本の救急医療体制が、患者の重症度に応じて一次、二次、三次の3段階に分けられたのは、1977年から本格的に整備が進められたことに始まります。これが現在の救急医療の基盤となっています。
一次救急(初期救急ともいわれます)は、軽いケガや風邪症状など、入院の必要がない比較的軽症の患者を対象とした救急医療です。休日夜間急患センターや在宅当番医制により、外来診療を中心とした医療を提供します。
一方で三次救急は、生命に危険が及ぶ重篤な患者を対象とした救急医療です。救命救急センターや高度救命救急センターがこれにあたり、24時間体制で高度な救命医療を提供します。心筋梗塞、脳卒中、多発外傷をはじめ、一刻を争う重症患者が多く搬送されます。
私たちが担う二次救急は、この一次と三次の中間に位置し、入院や手術を必要とする救急患者を受け入れる医療機関です。厚生労働省の定義によると、二次救急医療機関には以下の要件が求められています。
まず、24時間体制で救急患者に必要な検査、治療ができること。これは単に医師や看護師が配置されているだけでなく、レントゲン撮影、CT検査、血液検査などの診断機能、そして緊急手術に対応できる設備と体制を整えていることを意味します。
次に救急患者のための優先使用または専用の病床を備えていることです。救急患者はいつ搬送されるか予測できないため、常に受け入れ可能な病床を確保しておく必要があります。これは経営効率の観点からは決して有利ではありませんが、救急医療機関としての責任を果たすために必要なことです。
さらに、救急患者を原則として24時間体制で受け入れ、救急隊による傷病者の搬入に適した構造や設備があることも求められます。救急車が直接乗り付けられる入り口、ストレッチャーでの移動がスムーズにできる廊下の幅、緊急処置室の設備など、ハード面での整備も重要な要素です。
日本全国には8,000余りの病院がありますが、このうち二次救急医療機関として届け出ているのは約3,000施設です。大阪府内では約280の病院が二次救急医療機関として活動しており、私たちもその一つです。

