将来が不安にならないと言えば嘘になります
70歳の今はまだ元気な佐藤さんですが、今後のことを考えると不安もあるといいます。
「いつまでこの部屋で暮らせるのかって、不安になりますよ。もし体調を崩したら、階段の上り下りもできなくなるかもしれない。そうなったら、どこに引っ越せばいいのか、家賃はもっと上がるんじゃないかとか…」
現在住んでいる部屋はバス・トイレ別の2階。エレベーターはなく、築年数も古いためバリアフリー対応はされていません。民間の高齢者住宅への入居も検討したことがあるそうですが、「家賃が高くてとても無理だった」と話します。
「月に13〜15万円くらいするって聞いて、“無理だ…”ってすぐ諦めました。私の年金じゃ足りませんから」
そんな中でも、佐藤さんはできる範囲で日々を楽しむ工夫をしています。
「近所の図書館で本を借りて読んだり、テレビドラマを楽しみにしたり。大きなことはできないけど、心が満たされる時間はあるんですよ。年に1回くらいは娘が遊びに来てくれますしね。お金はなくても、“時間”が贅沢なんだと思います」
物価上昇、エネルギーコストの高騰、そして住居費の負担──。年金暮らしの中で、こうした外的要因が家計に重くのしかかっているのは事実です。
人生100年時代といわれるいま、老後の住まい方はますます多様になっています。持ち家には安定感がありますが、維持管理費や相続の問題もあります。一方で、賃貸は身軽さがある一方、家賃という継続的な負担が避けられません。
大切なのは「自分に合った形を、早いうちから考えておくこと」かもしれません。
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