最も多い脱税手口は「生前の現金引き出し」
国税庁の公表事例を見ると、最も多い脱税手口は、実にアナログな方法です。
被相続人(亡くなった人)が生前に預金や株式を現金化し、自宅の金庫や貸金庫、あるいは子どもの家などに隠す。いわゆる「タンス預金」の延長線上にある手法が、今も圧倒的に多く使われています。
「現金にしてしまえば税務署にはバレないだろう」と考える人が少なくありませんが、これは完全な誤解です。
税務署は、被相続人の預金口座や証券口座を、原則として過去5年分まで遡って調査します。死亡直前に多額の引き出しがあれば、当然ながら「その資金はどこへ行ったのか」という追跡調査が始まります。
特に悪質なのが、被相続人が入院中に、家族が通帳と印鑑を持ち出して現金を引き出すケースです。こうした行為は、脱税以前に倫理的にも問題があり、税務調査では厳しく追及されます。
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子や孫の口座に移しても無意味…「名義預金」は即発覚
次に多いのが、子どもや孫名義の預金口座へ資金を移す方法です。
一見すると、名義を分散させれば税務署の目を逃れられるように思えますが、これも通用しません。
税務署は相続税調査において、相続人はもちろん、その配偶者や子、孫の預金口座まで徹底的に調査します。資金の出どころが被相続人であることが確認されれば、たとえ名義が誰であっても「名義預金」として相続財産に加算されます。
