“こんなことで呼んだら悪いかなって…”文江さんのその後
文江さんは、体調が悪かったわけではなく、むしろ「これくらい自分でなんとかしなきゃ」という気持ちが強かったといいます。
「“こんなことで呼んだら悪いかなって思っていたの”と言われ、何も言えませんでした」
啓太さんはその後、母と話し合い、週に一度の安否確認を兼ねた電話、緊急時に使える生活支援サービスの登録、灯油の定期配送などの手配を進めました。
高齢者の見守りや支援体制は、各自治体でも整備が進んでいます。たとえば「地域包括支援センター」では、介護予防や高齢者の生活支援に関する相談窓口が設けられています。また「配食サービス」や「買い物代行」「灯油配送支援」なども自治体によって提供されています。
「母の言葉を聞いて思ったのは、“親って本当に、最後まで親であろうとするんだな”ということです。元気そうに見えても、助けが必要になるタイミングは突然来る。だからこそ、ふだんから“頼っていいんだよ”と伝えることが大事なんだと思います」
現在、文江さんは以前より食事をとるようになり、灯油の心配もなくなりました。部屋は少しずつ片づき、笑顔も戻りつつあるそうです。
「誰にも迷惑をかけたくない」という言葉は、孤立への入り口でもあります。家族や社会が「迷惑なんて思わないよ」と伝え続けることが、孤独な老後を防ぐ第一歩になるかもしれません。
「母が“ありがとうね”と言ってくれたとき、心からホッとしました。大げさかもしれないけど、命に関わるタイミングだったのかもしれない。気づけてよかったです」
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