成長鈍化シナリオ転換、物価基調は上昇見通し
日銀は、前回10月展望レポートの本文では、今後の景気と物価について以下のように説明しています。
1.成長ペース:米国の関税引き上げの影響からいったん伸び悩むものの、その後は高まっていく
2.消費者物価(除く生鮮食品):食料品価格上昇の影響が減退していくもとで、2%を下回る水準まで低下していくものの、その後は徐々に高まっていく
3.基調的な物価上昇率は、成長ペースの鈍化などから伸び悩むものの、その後は成長率が高まるもとで徐々に高まっていく
今回の展望レポートでは、米国の関税引き上げによる成長率鈍化が経済対策の効果によって解消されるため、「成長ペースは伸び悩む」とのシナリオが改められ、「緩やかな成長を続ける」との表現に変更されました。
そのうえで、物価については、食料品価格上昇の影響が減退していくもとで、消費者物価(除く生鮮食品)が2%を下回る水準まで低下していくとのシナリオは維持されたものの、基調的な物価上昇率は成長ペースの伸び悩みが解消されたため、徐々に高まっていくとのシナリオに修正されました。
また、従来から言及のあった為替の変動による物価への直接的な影響だけでなく、今回は予想物価上昇率の変化を通じて、基調的な物価上昇率にも影響する可能性にも言及されました。
円安と金利の板挟みで、日銀は難局に直面
15時半から予定されている植田日銀総裁の記者会見では、特に、円安に伴う物価高が基調的な物価上昇率に波及するリスクに対し、どこまで踏み込んだ言及があるかが注目されます。
昨年12月の会合で植田日銀総裁は、「企業の賃金・価格設定行動が積極的になっているもとで、(為替が物価に影響を与える可能性を)注意してみていきたい」と述べていました。今回の記者会見においては、円安が基調的な物価に与える影響を注視しつつも、一段と警戒感を高めた表現が示される可能性があります。
他方、高市首相が衆議院解散を表明し、時限的な消費税減税を示唆したことで、債券市場では財政規律の緩みへの懸念から金利上昇圧力がかかりやすい状況にあります。
植田日銀総裁が金利上昇を抑制するために利上げに慎重な姿勢を見せれば、さらなる円安を招く可能性がある一方、円安を牽制すべく利上げに前向きな姿勢を示せば、さらなる金利上昇を招く恐れがあります。日銀は、円安阻止と金利抑制の狭間で難しい対応を迫られています。
東京海上アセットマネジメント
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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