母親の口から出た「まさかの告白」
すると、キッチンから母親が顔を出し「いやだ多恵ちゃん! いつ来たの?」といってリビングに招き入れました。
母親は多恵さんをダイニングに座らせると「近いうちに報告しようと思ったのだけれど…」と前置きして話はじめました。
母親は、パート先の取引先の男性と親しくしており、その男性としょっちゅう行き来して、車も自由に使わせていること、娘2人も独立しているし、再婚を検討していることなどを話し始めました。
「はぁ!? なにいってるの? お父さんが死んでから3年もたってないじゃない!」
多恵さんは即座に大反対。激しい言葉で母親を責めました。すると母親は激高。
「再婚すればあんたたちにお金で迷惑かけることもないでしょう!? 老後の心配はしないでくれて結構よ!」
多恵さんは怒り冷めやらぬまま妹の綾香さん(仮名)に電話しました。驚いた綾香さんは「1時間以内に行く」といって、本当に1時間足らずで実家へ到着しました。
多恵さんと母親が激しく言い争っているところに到着した綾香さんは「いいから落ち着いて!」といってその場を収めると、感情を抑えたトーンで母親へいくつも質問を投げかけました。
綾香さんは母親から、付き合っている男性が50代半ばで、母親より一回り以上年下であること、仕事は食品関係を扱う自営業者であること、いずれは結婚してこの家で2人暮らしを検討していることを聞き出しました。
「あれもこれも、勝手にひとりで決めないでよ!」
多恵さんは怒りが収まりません。しかし、話し合いは平行線に。着地が見えないまま、疲れ果てた多恵さんと綾香さんは、いったん戻ることになりました。
多恵さんは綾香さんを自宅マンションに招き入れ、姉妹2人で話し合いました。
多恵さん「お母さん、財産を狙われているんじゃ…」
綾香さん「でも、家もお金もお母さんのものでしょ…。とりあえず反対意見はいえるけど、意固地になるかもしれないし、こればっかりはお母さん次第だよね…?」
もし正式な再婚後に母親が亡くなれば、母親の財産の半分は再婚相手のものになります。相手は母親よりかなり年下なので、母親が先立つ可能性が高いといえそうです。
法定相続分
<配偶者と子供が相続人である場合>
配偶者2分の1 子供(2人以上のときは全員で)2分の1
<配偶者と直系尊属が相続人である場合>
配偶者3分の2 直系尊属(2人以上のときは全員で)3分の1
<配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合>
配偶者4分の3 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1
※ 子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
※ 民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の持分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
(国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」参照)
