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亡き母のカード明細に残っていた「毎月1万円」
「手続き自体は、思っていたよりもスムーズでした。だからこそ、あの引き落としが妙に気になったんです」
そう話すのは、東京都内で夫(42歳)と長男(10歳)と暮らす依田若菜さん(42歳・仮名)です。
75歳で亡くなった母親は、がんを患っていました。父親とは若菜さんが大学生の頃に離婚し、その後は疎遠に。母は長年、中部地方の地方都市で1人暮らしを続けていました。
エンディングノートが残されていた母
母親はスマートフォンを使いこなし、若菜さんとも日常的にやり取りをしていました。がんを告知された際、ある程度の覚悟をしていたのか、自分の死後のことをエンディングノートにまとめていました。
葬儀や役所の手続き、金融機関の対応。事前の準備があった分、遺族としての負担は比較的軽く済みました。
ところが、クレジットカードの明細を整理していたとき、若菜さんはある点に気づきます。
去年の1月から続く「用途不明の1万円」
「毎月20日に、きっかり1万円が引き落とされていました。去年の1月からです。会社名を調べても、何のサービスか分からない」
母は持ち家で暮らしていましたが、年金は月に15万円ほど。大きなぜいたくをするタイプではなく、生活は質素というか堅実でした。
「だからこそ、毎月1万円という金額が、私には余計に引っかかりました。母にとって、決して軽い出費ではなかったはずなので……」
クレジットカード会社に問い合わせ、カード会社経由で調査してもらいましたが、返ってきたのは「詳細は分からない」という回答でした。
カードを停止すれば引き落とし自体は止まります。それでも、何のお金なのか分からないまま終わることに、若菜さんは落ち着かなさを感じていました。
真相が分かったのは、3ヶ月後
謎が解けたのは、母のスマートフォンを何気なく確認したときでした。
LINEのトーク一覧の中に、ハンドルネームのアカウントが残っていたのです。「担当者が返信します」という表示があり、何らかのサービスであることがうかがえました。
「母のプライバシーなので、本当は見ないほうがいいと思いました。でも、どうしても気になって……。『お母さんごめん』と思いながら、トークを開きました」
そこにあったのは、母親の悩み相談のやり取りでした。
相手に母が亡くなったことを伝えると、すぐに返事がありました。相手は、個人で悩み相談を請け負っている人物。母はSNSでその存在を知り、月1万円でLINE相談ができるサービスを利用していたといいます。
「母がSNSを使いこなしていたことにも驚きましたが、ほぼ毎日のように、やり取りが続いていました。内容は愚痴というより、人生観や死生観、私のことを心配する話が多かったですね」
母は、若菜さんから見ても、妙に達観しているというか、あまり弱音を吐かない女性でした。若菜さん自身にも、日常的に愚痴をこぼすことはほとんどなく、若菜さんから見ても「できた母」でした。
