(※写真はイメージです/PIXTA)

宗教法人制度は、本来、信教の自由を保障し、宗教活動の継続を支えるために設けられた。しかし近年、その制度が税制優遇を目的とした法人売買や資産移転に利用されている実態が明らかになりつつある。文化庁が危機感を示すなか、宗教法人の監視体制をどう構築するのか。制度の信頼回復に向けた議論が、いま避けて通れない局面に来ている。

文化庁が主導して監視体制の構築を

宗教法人の解散が決まっても、残余財産の処分方法などさまざまな問題が残る。これらの問題は全国に広がる空き家の放置問題と同じで、最終的には伽藍の解体費用を国庫負担するなどの法整備が必要になってくるだろう。

 

そのために文化庁が通報窓口となって財務省や法務省など関係省庁と連携し、不活動法人やすでに第三者に渡った宗教法人を専門的に監視する組織の必要性が差し迫っているのではないだろうか。

 

たとえば、国税は新規設立法人の商業登記を収集している。同じように国税のリサーチ力を使って不自然な所在地変更や代表者変更がある宗教法人を収集し、復活法人や無申告などから宗教法人売買の痕跡を見つけ出し、実態解明を行うよう要請する。

 

その結果をもとに、関係省庁が連携しながら不活動法人の処理を専門的に行う。そこには、弁護士、会計士、税理士などの専門家の知見が必要になってくるだろう。

 

宗教界の信用を失墜させ、屋台骨を揺るがしかねない不活動宗教法人の売買問題。宗教法人が永続的に存続できるよう願って制定された宗教法人法だが、税制優遇を狙って、法の裏をかいくぐった節税や脱税を目的とした宗教法人の売買が行われている。

 

『信教の自由』ばかりを主張してほっかむりすることなく、宗教界が一丸となって浄化のための行動を起こしてほしいと願うばかりだ。

 

 

上田 二郎

元国税査察官/税理士

 

 

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