(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査というと、多くの人は「よくわからない」「怖い」と感じるものです。しかし、正しい申告の確認という本質を知ることで、納税者としての心構えや企業経営におけるリスク管理が見えてきます。本記事では、税務調査の種類や目的、実際の手順を整理し、特に、新聞やニュースでよく話題になるマルサの強制調査と、税務署や国税局が行う任意調査の違いに焦点を当て、一般の人にもわかりやすく解説します。

税務調査の目的

税務調査は、納税者が税金を正しく申告しているかを確認するために行われます。言い換えれば、「申告内容が適正かどうかをチェックする」ことが目的です。税務調査は、目的や手段によって大きく二つに分かれます。一つは、査察部(通称マルサ)が行う強制調査、もう一つは、国税局や税務署が行う任意調査です。

 

[図表]税務調査の種類  (『国税調査トクチョウ班』法令出版』)

 

国税局の各部が行う任意調査は、基本的に「特別調査」と呼ばれ、日数に制限なく、正しい申告額の確認のために深度ある調査を行います。一方、税務署が行う調査は、目的や手段によって「一般調査」と「特別調査」に分かれています。限られた人員の中で、調査件数を確保しつつ充実した調査を行うため、重点を変えながら実施されます。

 

税務調査の種類を整理すると、以下のようになります。

強制調査(マルサ)

国税通則法(平成29年度の税制改正によって、国税犯則取締法が廃止され、国税通則
法に編入された)に基づき、納税者の同意なく行われる強制的な調査です。裁判官が許可した「臨検・捜索・差押許可状(強制調査令状)」により、強制的に踏み込むことができますので、居留守を使って隠れている脱税者が見つかることもあります。そのため、マルサは「国税の最後の砦」と呼ばれています。

 

任意調査

マルサ以外の国税局の部門や税務署が行う調査です。平成23年度の国税通則法改正により、原則として納税者に事前通知(調査開始日時、場所、税目、対象期間)が行われます。しかし、事前通知をすると調査の正確性が損なわれる場合や、調査の遂行に支障がある場合には、無予告で調査することもあります。

 

一般調査

税務署で一般的に行われる調査で、原則として事前通知があります。通常は4日程度で終了し、帳簿や領収書の確認が中心です。深く掘り下げる調査はできませんが、納税者に緊張感を与え、必要に応じて特別調査に切り替えることがあります。

 

特別調査

国税局や税務署の特別調査部門(トクチョウ)が行う、事業の実態を解明するための調査です。予告なしで行う場合もあり、通常10日程度の調査期間が確保されます。事案によっては期間の制限を外し、数年かけて徹底的に調査することもあります。

 

 

*記事は『国税調査トクチョウ班』(法令出版)のコラムをリライトしたものです。

 

上田 二郎

元国税査察官/税理士

 

 

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