あんなにケチだったのに…年金月16万円・超ド級ケチ・蓄えがあるはずの68歳父が定年6年後、〈あっさり老後破産〉した理由に娘唖然。「プラスチックゴミをチマチマ切り刻むのが日課だったくせに」【FPが解説】

あんなにケチだったのに…年金月16万円・超ド級ケチ・蓄えがあるはずの68歳父が定年6年後、〈あっさり老後破産〉した理由に娘唖然。「プラスチックゴミをチマチマ切り刻むのが日課だったくせに」【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

1円単位の支出を惜しむ徹底した倹約家であっても、感情という「計算不能な支出」に脆い側面があることも。長年の倹約で蓄えたはずの安心を、一瞬で瓦解させたのは浪費でもギャンブルでもありませんでした。本記事では、中村修一さん(仮名)の事例とともに、収支管理のプロが直面した経済的破綻について、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

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秘かに育まれていた、12歳下の部下との「第二の人生」

離婚後、再雇用で働いていた修一さんは、同じ職場で働く12歳年下のシングルマザーの女性と親しくなりました。彼女は部下として、修一さんの几帳面な仕事ぶりを深く信頼していたといいます。家ではドケチな父親でも、会社の経理部門では頼れる存在だったのです。

 

ある日、彼女は修一さんに生活の苦しさを打ち明けました。元夫からの養育費が途絶え、日々の生活費や子どもの将来の教育費に不安を抱えているという切実な悩み。同じ離婚経験者として相談に乗るうちに、修一さんの心に「自分が彼女を、その子を支えたい」という強烈な使命感が芽生えます。

 

修一さんは、彼女の子どもの教育費をすべて負担することを決意しました。

 

「この子の将来だけは、自分が守り抜いてやりたい」

 

子どもが成長したタイミングで正式に一緒になろうと約束を交わしていましたが、残酷な運命が修一さんを襲います。3年前、その彼女が、子宮がんで急逝したのです。教育費を出し続けた修一さんの手元には、もはや老後資金と呼べるものは残っていませんでした。

 

彼女の死後、修一さんは完全に生きる気力を失いました。仕事への意欲も消え、そのまま年金生活に突入。年金分割により受給額は月16万円程度と、生活するには厳しい金額でしたが、「どうにかしよう」という意欲も湧きませんでした。絶望のなかにいた修一さんには生活を立て直す気力など残っていません。

 

足りない生活費は、消費者金融やカードローンで補填。しかし、そんな生活もやがて限界を迎え、68歳にして自己破産に至ったのです。

「支援」と「依存」の境界線

修一さんの破綻は、決して浪費やギャンブルによるものではありません。大切な人を助けたいという「純粋な善意」が発端でした。それは、自分のためではなく、他人の人生のためにお金を使う尊い生き方ともいえるでしょう。しかし、最大の問題は「すべてを背負ってしまったこと」に集約されます。

 

教育費には、奨学金という選択肢もあります。全額を負担するのではなく、自分の老後資金を確保したうえで無理のない範囲の支援に留めるべきでした。修一さんは収支管理が得意な人でしたので、奨学金を活用し「無理のない返済計画」を一緒に考えてあげることもできたでしょう。

 

また、家計の収支を可視化し、支援できる上限額を明確にする。自律した生活が維持できてこそ、本当の意味での支援が成立します。

 

大切な人を失って気持ちが落ち込むのは致し方ありません。しかし、そこでセルフネグレクト(自己放任)のような状態に陥るのは、支援という名の「他人への依存」が強すぎた裏返しともいえます。

 

本当に人を助けることができるのは自立した生活ができ、自分の生き方を持っている人。そうでなければ、本当の意味で誰かの人生を支え続けることは難しいものなのです。

生きがいと生活基盤のバランス

司法統計年報などによると、近年の自己破産申立件数において、60代以上の割合は増加傾向にあります。年金不足、病気、そして家族問題――。高齢者の経済的自立がいかに脆いものであるかを物語っています。

 

孤独だった修一さんにとって、他人の人生を支えることは唯一の生きがいだったのでしょう。しかし、その生きがいと引き換えに、自らの生存基盤を失っては本末転倒です。 「どこまでなら無理なく他人のために使えるか」自分らしい生活を守るための境界線を引くこと。それこそが、最期まで誇りを持って生きるための、最も重要なマネーリテラシーなのかもしれません。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

 

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