足元で加速する株高・円安・金利高。市場では高市政権の財政政策による「日本国債の信認低下」を危惧する声も上がるが、真の要因は別の場所にある。2026年3月末に控えた生命保険会社への「新監督基準(ESR)」の適用だ。この制度の壁が生んだテクニカルな需給の歪みが、超長期金利を不自然に押し上げてきた。制度移行の節目となる4月、これまでのトレンドは劇的に反転する可能性がある。日本経済の「反転のシナリオ」を、Jトラストグローバル証券株式会社チーフ・インベストメント・ストラテジストの上田祐介氏が読み解く。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)

 

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

 

2026年3月が分岐点。円安・金利高が「反転」する根拠

足元では、日本の相場が株高・円安・金利高(債券安)のトレンドを強めているが、この超長期債利回りの押し上げ要因のうち制度的なテクニカルな需給要因は、2026年3月末までに一服し、4月以降はトレンドの抑制や転換につながる可能性がある。そこまでに充分に利回り水準が上昇すれば、金利高と円安傾向もピークアウトして反転し、円高傾向に転じやすくなるだろう。ドル建て運用資産の一部を円資金に戻したい場合などには適切なタイミングとなりうる。

 

以下では、生命保険会社の行動に連動して生じてきた需給要因とその解消可能性について解説する。

高市政権への信認低下が原因か? 金利高騰を招いた真の要因

現在の国債金利上昇には、ファンダメンタル的な理由もあるが、高市政権の誕生前の2024年頃から超長期(20~40年)の国債金利の上昇が先行し、2~10年の国債金利の上昇をけん引してきた。

 

2026年1月15日時点で、TOPIXは1990年以降で最高値となる3,668ポイントをつけ、ドル円レートも158.63と2024年7月以来となる160円台に迫る勢いだ。一方で、国内債券は売りによる価格下落(金利上昇)が続いている。新たに条件決定された新発5年国債利回りは1.615%を付け、2000年2月の同債発行開始以降の最高水準となった。

 

高市政権では「責任ある積極財政」を打ち出しており、従来の財政規律重視型の財政運営とは明確に異なるスタンスをとっている。同政権への株式市場の期待は、名目上の増収増益が生じやすく、さらに財政による景気刺激策が行われやすいことなどから、プラスの相場影響として反応している。一方、債券市場では、総選挙後の財政拡張とインフレへの警戒から利回り上昇(価格下落)として反応している。さらに、こうした債券市場の動向が、ドル/円レートへの円安圧力の1要因ともなっている。

 

市場では、円金利の止まらない上昇の要因を、高市政権の財政政策スタンスにより生じた国債への「信認」低下を表したものだとする議論がある。また、積極財政はインフレを後押ししやすいことから、名目成長率と実質成長率の乖離が生ずれば、ターミナルレート(中立金利)にも上昇圧力がかかりやすい。円金利の上昇にファンダメンタル的な影響があること自体は疑う余地はない。

 

しかし、日本国債の利回り推移をみると、超長期国債利回りが先行して上昇する傾向があり、この傾向は高市政権の誕生前の2025年4月頃からも観測されている(図表1)

 

出所:BloombergデータよりJTG証券で作成
【図表1】 出所:BloombergデータよりJTG証券で作成

 

こうした傾向から、超長期債利回りの先行上昇の理由を、高市政権の財政政策だけに求めることは必ずしも適切ではない。同時に存在しうる別の要因についても検討する必要があるだろう。

 

次ページ市場を牽引した「超長期債」の急騰。金利上昇のメカニズムを解く

●当記事は、情報提供を目的として、Jトラストグローバル証券株式会社が作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、Jトラストグローバル証券株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当記事の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当記事に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当記事はJトラストグローバル証券株式会社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当記事にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

記事内*1:https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2026/calendar251226.pdf
記事内*2:https://www.fsa.go.jp/policy/economic_value-based_solvency/10.pdf

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ エンパワー2月5日セミナーへの誘導です 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録