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2026年3月が分岐点。円安・金利高が「反転」する根拠
足元では、日本の相場が株高・円安・金利高(債券安)のトレンドを強めているが、この超長期債利回りの押し上げ要因のうち制度的なテクニカルな需給要因は、2026年3月末までに一服し、4月以降はトレンドの抑制や転換につながる可能性がある。そこまでに充分に利回り水準が上昇すれば、金利高と円安傾向もピークアウトして反転し、円高傾向に転じやすくなるだろう。ドル建て運用資産の一部を円資金に戻したい場合などには適切なタイミングとなりうる。
以下では、生命保険会社の行動に連動して生じてきた需給要因とその解消可能性について解説する。
高市政権への信認低下が原因か? 金利高騰を招いた真の要因
2026年1月15日時点で、TOPIXは1990年以降で最高値となる3,668ポイントをつけ、ドル円レートも158.63と2024年7月以来となる160円台に迫る勢いだ。一方で、国内債券は売りによる価格下落(金利上昇)が続いている。新たに条件決定された新発5年国債利回りは1.615%を付け、2000年2月の同債発行開始以降の最高水準となった。
高市政権では「責任ある積極財政」を打ち出しており、従来の財政規律重視型の財政運営とは明確に異なるスタンスをとっている。同政権への株式市場の期待は、名目上の増収増益が生じやすく、さらに財政による景気刺激策が行われやすいことなどから、プラスの相場影響として反応している。一方、債券市場では、総選挙後の財政拡張とインフレへの警戒から利回り上昇(価格下落)として反応している。さらに、こうした債券市場の動向が、ドル/円レートへの円安圧力の1要因ともなっている。
市場では、円金利の止まらない上昇の要因を、高市政権の財政政策スタンスにより生じた国債への「信認」低下を表したものだとする議論がある。また、積極財政はインフレを後押ししやすいことから、名目成長率と実質成長率の乖離が生ずれば、ターミナルレート(中立金利)にも上昇圧力がかかりやすい。円金利の上昇にファンダメンタル的な影響があること自体は疑う余地はない。
しかし、日本国債の利回り推移をみると、超長期国債利回りが先行して上昇する傾向があり、この傾向は高市政権の誕生前の2025年4月頃からも観測されている(図表1)。
こうした傾向から、超長期債利回りの先行上昇の理由を、高市政権の財政政策だけに求めることは必ずしも適切ではない。同時に存在しうる別の要因についても検討する必要があるだろう。

