(※写真はイメージです/PIXTA)

夫婦の間で「家計を誰がどう管理するか」は、それぞれの世帯によって大きく異なります。特に共働き世帯の増加や生活費の上昇により、家計の設計は複雑化しており、「収入が多い=自由に使えるお金が多い」とは限らなくなってきています。実際、世帯年収が高くても、本人が“使えるお金”は限られている――そんな声も少なくありません。

家庭内の“経済的ヒエラルキー”が生む孤独

実際、「自分の収入はすべて家計に組み込まれ、自分の裁量では使えない」という男性の声は少なくありません。こうした構造は、単なる“家計の配分”の問題にとどまらず、家族内の発言力や心理的な関係性にも影響を与えることがあります。

 

「お金の自由=生き方の自由じゃない。でも、自分がどう扱われているかが、金額に滲み出ることはあると思う」

 

最近、松井さんは「お金のことはもっと早く、対等に話し合うべきだった」と振り返るようになったといいます。何を言わずに任せていることで、やがて“口を出す立場にない人”になってしまうことがある――それが、彼の実感でした。

 

年収や役割に関わらず、家庭内の「使えるお金」についてのルールや意識のすり合わせは、夫婦関係の健全さとも直結する問題です。

 

小遣いの金額そのものよりも、「なぜその額なのか」「その中で何を期待されているのか」。その説明と合意があるかどうかが、“ATM化”を防ぐ鍵なのかもしれません。

 

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