生活費は余裕でも、心は不安定に
高城さんの生活費は月15万円前後。年金だけで十分まかなえる計算です。しかし、周囲との関係や心身の変化によって、「お金の使い道」に悩むようになったといいます。
「家にいても話す人もいないし、買いたいものも思いつかない。若いころは“老後に好きなことを”って思っていたのに、現実は“その気力すら湧かない”という状態になるんですね」
「 “お得だから”という理由だけで繰り下げるのはやめておいたほうがいい。元気なうちに、普通の生活を楽しんでおくのがいちばんだと思う」
年金受給のタイミングは、人それぞれのライフスタイルや健康状態、家族構成により大きく変わります。繰下げによって年金額が増えるのは事実ですが、それを「いつ・どう使えるか」は、予測の難しい要素です。
高城さんは今、介護付きのシニア向け住宅への入居を検討しています。
「 “何歳まで生きるか”じゃなくて、“何歳まで動けるか”が老後のカギなんです。そこをちゃんと考えずに、“増えるからラッキー”とだけ思っていたのが、間違いだったのかもしれません」
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