老後の“イベント消費”…幸福感を持続させない?
資金にも健康にも恵まれているのに、なぜか心が満たされない。そうした声は、意外にも“理想的な老後”を歩んでいるはずのシニア層から聞かれることがあります。
近年、旅行や趣味などの活動を通じて「充実した老後」を目指す動きが広がる一方で、その体験を分かち合う人間関係が希薄だと、充実感が続かないという現実も見えてきています。
内閣府が実施した『孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)』によれば、65歳以上の高齢者のうち約4人に1人が「孤独を感じる」と回答。また、孤独感を抱えている人は、健康状態や生活満足度が相対的に低い傾向があることも示されています。
一方、『高齢社会白書(令和6年版)』では、高齢単身世帯や高齢夫婦世帯の増加とともに、高齢者の社会的つながりの希薄化が進んでいることが指摘されており、こうした状況が精神的な充足感や幸福感の持続に影響を与えていると考えられています。
つまり、イベントや予定に満ちた生活であっても、それを“誰とどう共有するか”が伴わなければ、心は満たされないということです。
「このままだと、人生が“通帳の残高”と“旅の記録”だけで終わってしまうような気がして」
その後、夫婦は互いに別々のサークルに参加するようになり、週に1〜2日は別行動の日をつくることに。最近では地域の「シニア読書会」で出会った人たちと趣味の交流を深めているそうです。
「人と話して初めて、“旅先で何を感じたか”が自分の中で整理されるんです。感動も、ちょっとした笑い話も、“伝える相手”がいることで記憶に残るんだと思います」
資金や健康といった“目に見える条件”が揃っていても、それだけで老後がうまくいくとは限りません。「どこへ行くか」ではなく、「誰と向き合うか」こそが、老後の質を左右するのかもしれません。
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