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「離婚でもいいわよ」思わず口から出た言葉
「今年は帰省、どうする?」
年末が近づいたある夜、夫(48歳)からそう聞かれたとき、真由美さん(45歳・仮名)は、少し間を置いて答えました。
「今年は(上の子が)受験生だし、帰省はしないよね? 今年のはじめにそう確認したじゃない」
真由美さんには、中学3年生と小学6年生の子どもがいます。部活や課外活動で忙しく、日常生活の細かな世話は、ほとんどを真由美さんが担ってきました。
その返答に、夫は即座にこう返したといいます。
「母さんも高齢だし、今のうちに孫の顔を見せたいだろ。いくら受験だからって帰省しないなんて、ありえないだろ」
その瞬間、真由美さんの中で、何かがぷつりと切れました。
「だったら、離婚でもいいわよ」
いきなり「離婚」の2文字が登場して驚いたのは夫ではなく真由美さんでした。「やばい、私そんなふうに思っていたんだ」
真由美さんが自身の口から出た言葉に戸惑っているとは夫はつゆ知らず。その夜、夫婦は久しぶりに激しい言い争いになりました。
不満の正体は「子ども」ではなかった
翌日、二人は一度冷静になり、話し合いの場を持ちました。そこで真由美さんは、これまで胸の奥に溜め込んできた思いを、少しずつ言葉にしていきます。
「子どもの世話をすること自体は、そこまで不満じゃないの」
子どもたちは成長し、自分のことは自分でできるようになってきています。受験期とはいえ、かつてのように付きっきりで世話をする必要はありません。
「でも、我慢ならないのは……あなたなの」
真由美さんが耐えがたかったのは、いつまでも変わらない夫の姿でした。
家では“長男”、外では“いい夫”
夫婦の世帯年収は約1,400万円。真由美さん自身も、年収500万円ほどを得る正社員として働いています。真由美さんの勤務先は9時から17時が基本で、残業もほとんどありません。
だからといって、家事や子育ての負担が妻に大きく偏っている現実が、見えなくなるわけではありませんでした。
仕事から帰ると、ソファでスマートフォンを眺める夫。使ったペットボトルはそのまま、脱いだ服も置きっぱなし。家事を「手伝う」ことはあっても、主体的に動くことはほとんどありません。
「子どもが小さい頃も、あなたは『仕事が忙しい』を理由に、どこか他人事だった」
その一方で、親戚や外の人の前では、協力的で理解ある“いい夫”を演じる。そのギャップが、年を追うごとに真由美さんの心をすり減らしていきました。
義実家とのやりとりも、結局は真由美さん任せ。
「あなたは何なの? 私、あなたのこと産んだ覚えないんだけど。私には、“成長しない長男”がもう一人いるみたいだった。あなたと別れたら年収500万円で2人の子供を養っていくのは正直きついと思う。でも、なんとかなるとは思う」
その言葉は、衝動ではなく、長年積み重なった感情の結果でした。
