湾岸タワマン暮らしの28歳「勝ち組に見られるけど…」
「本当に、よく聞かれるんですよ。『どうやってタワマン買ったの?』『どんな仕事してるの?』って」
そう話すのは、都内勤務の会社員・堀内智也さん(仮名・28歳)。広告系ベンチャー企業に勤めて5年目、年収は約430万円。都心湾岸エリアの高層タワーマンションの20階に居住している。
「会社の後輩にも“タワマン住んでるって聞きました!”って言われて。いや、正直に言うと、ローンは父名義、僕は“住まわせてもらってる”だけなんですけどね」
物件は3LDK、築3年。相場では1億円前後の高級分譲マンション。名義上の所有者は、地方で自営業を営む堀内さんの父親だ。
「親が“東京で頑張るなら、通勤しやすいところに住め”って買ってくれたんです。資産運用も兼ねて、将来的に売れるだろうって」
堀内さんは管理費や光熱費の一部を負担しているものの、住宅ローンの返済や固定資産税はすべて父親が支払っている。贈与や名義変更はしていないため、法的には“父親の持ち物”に住んでいる形だ。
「ありがたいことに、今のところ何も問題はないです。でも、これは“僕の実力じゃない”って自覚はずっとあります」
厚生労働省『令和6年 賃金構造基本統計調査』によれば、25〜29歳の男性正社員の平均賃金は27万4,700円。ボーナスなどを加えた年収ベースではおおむね350万円前後と推定されるが、これはあくまで平均的な水準。堀内さんの430万円という年収はそれよりやや高めだが、それでも「1人で都心のタワマンに住む」には到底足りない。
「自分の貯金で賃貸に住むなら、広めのワンルームくらいが現実的です。でも、SNSで“港区在住”とか“高層階からの夜景”って出すと、途端に“成功者”っぽく見られるんですよね」
実際、堀内さんのInstagramには、タワマンからの夜景やルーフバルコニーでのコーヒータイムの写真が並ぶ。
「ウケはいいです。でも、いいねの数と自分の価値って、本当は関係ないと思ってます」
