年末年始は「夫婦の不満」が表に出やすい時期
こうした真由美さんの思いは、決して特別なものではありません。ハイスペ男子総合研究所が行った「パートナーへの不満に関する調査」によると、パートナーに対して「不満がまったくない」と答えた人は18.8%にとどまり、約8割が何らかの不満を抱えていることがわかりました。不満の内容は、
1位:お金・家計
2位:コミュニケーション
3位:家事分担
と続き、「育児負担」も上位に入っています。
特に、子どもがいる家庭では不満度が高く、30代以降で一気に不満が増える傾向が見られました。
年末年始は家族で過ごす時間が増える分、日頃は見過ごされてきた役割の偏りや違和感が、表面化しやすい時期でもあります。
「母親」ではなく、「妻」を降りたい
真由美さんが夫に伝えたかったのは、「助けてほしい」という訴えだけではありませんでした。
「私は、母親であることをやめたいわけじゃない。でも、“あなたのお世話係みたいな妻”は、もう続けられない」
子育て、家事、義実家対応。それらを当然のように引き受ける存在であることに、限界を感じていたのです。調査でも、女性のほうが男性より不満度が高く、特に「家事・育児」「コミュニケーション」において負担を感じやすいことが示されています。
「離婚でもいい」は、本音だったのか
一晩冷却期間を置いたあと、夫は初めてこう言ったといいます。「そこまで追い詰めていたとは、正直、気づかなかった」
真由美さんは、口からポロッと出た言葉とはいえ「離婚」という言葉を本気で突きつけたわけではありませんでした。
しかし、このまま何も変わらないなら、続けられないという覚悟は、本物でした。
「役割を降りる」ことで、関係を続ける選択
真由美さん夫婦は、すぐに劇的に変わったわけではありません。それでも、「帰省は今年は見送る」「家事の分担を具体的に決め直す」といった、小さな合意を重ねています。
「全部を背負う妻でいるより、ちゃんと話せるパートナーでいたい」
そう語る真由美さんの表情は、少しだけ軽くなっていました。
年末年始は、家族が集う“幸せな時間”であると同時に、夫婦関係の歪みが浮き彫りになる時期でもあります。「母親の役割」ではなく、「一人の人間として、対等な存在でいること」。当たり前のことですが、真由美さんは一人の人間としての自分を取り戻しつつあります。
[参考資料]
ハイスペ男子総合研究所「パートナーへの不満」に関する調査
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