不動産投資の前には必ずシミュレーションを
不動産投資は、投資前のシミュレーションが成否をわけます。最終的に黒字にするためには、家賃設定や維持コスト、そして売却のタイミングまで見据えた計画が必要です。一例として、都心の新築ワンルームマンションを購入し、6年後に売却した場合のシミュレーションを紹介します。
購入金額:3,500万円
自己資金:500万円
不動産ローン借入額:3,000万円(金利2.0% 35年ローン(元利均等返済))
家賃収入:10万5,000円/月(都心相場)
管理費・修繕積立金・固定資産税など支出:年間約40万円
ローン返済:9万9,379円/月
このケースでは、毎年の持ち出し費用として約33万円が発生します。このように、家賃収入だけでは足りないケースも少なくありません。不動産投資を始める場合は「持ち出し」を許容できる家計のゆとりが前提となります。
6年後の売却益シミュレーション(概算)
この物件を6年後に4,200万円で売却できた場合の収支を計算してみましょう。
売却価格:4,200万円
ローン残債:約2,600万円
売却益(税引前):約1,600万円
譲渡所得税(長期譲渡):約325万円(税率20.315%)
その他売却諸費用:約135万円
当初自己資金:500万円
年間の持ち出し費用合計:約200万円(約33万円×6年)
手取り利益:約440万円
シミュレーションでは、6年後に約440万円の利益を出す結果となりました。
他人資本(不動産投資ローン)を活用したレバレッジ効果により、短期間で数百万円の利益を出すことも可能になるのが、不動産投資の魅力です。もちろん、毎年の持ち出し費用や売却できる価格によっては、短期では売却せずに家賃収入を得続けるという選択肢もあります。状況によって臨機応変な判断をするためにも事前にしっかりとシミュレーションを行い、キャッシュフローを確認し続けなければなりません。売却のときまで結果(この不動産投資は成功だったのか?)がわからないのもこの投資の特徴です。
