(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢期に入ると、年金や貯蓄の有無だけでなく、「周囲とどう付き合うか」が暮らし方を左右するようになります。なかには、十分な資産がありながら、あえて“質素な生活”を選ぶ人も。背景には、「妬まれたくない」「浮きたくない」といった人間関係への配慮や、地域コミュニティ内での暗黙の“同調圧力”があるようです。今回は、家賃収入月40万円、持ち家・無借金という経済的なゆとりを持ちながら、それを隠すように暮らす67歳女性の姿をみていきます。

「誰かに妬まれない安心」

玲子さんが“隠す”ようになったのは、過去のある出来事がきっかけでした。

 

「以前、同じ町内の奥さんが“都内にマンションを持っている”って話をしていたら、突然、周囲から距離を置かれるようになって。誰もはっきりは言わないけど、“あの人お金あるんでしょ”って…。見ていて怖くなったんです」

 

それ以来、玲子さんは意識的に「地味に」「お金がないように」振る舞うようになりました。夫にも「服はバーゲンで買って」と伝え、外食時には「セットメニューで十分」と笑いながら注文するようにしているといいます。

 

現代の高齢者像は一様ではありません。総務省『家計調査(2024年)』によると、「高齢夫婦無職世帯」の平均支出は月25.6万円、可処分所得は月22.2万円であり、多くの高齢者が赤字を抱えて生活している現実があります。

 

しかし一方で、玲子さんのように「資産があっても、見せない」「むしろ“節約生活のフリ”をして暮らす」高齢者も少なくありません。

 

「ただ、波風立てたくないだけ。静かに、周りと同じように暮らしたいだけなんです」

 

玲子さんはそう微笑みます。

 

「どのように他人と関わりたいか」も、老後のライフスタイルを左右するひとつのポイント。豊かさを誇るより、静かに隠す“上品な老後”もまた、ひとつの選択肢なのかもしれません。

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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