(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が「大丈夫」「心配しないで」と語るとき、本当に安心してよいのか――。親が見せない“お金の現実”は、子どもが思うよりはるかに深刻なケースもあります。年金収入があっても、病気・物価高・詐欺・借金などにより、思わぬ金銭トラブルに発展することもあります。今回は、父の通帳や財布を見た娘が衝撃を受けた“ある出来事”を通じて、高齢者のお金の危うさを見つめ直します。

娘がとった“ある行動”

「もっと早く気づいてあげればよかったです。父の『大丈夫』を鵜呑みにしないで、通帳や明細を一緒に確認していれば……」

 

智美さんはその後、父の借金を一部立て替え、生活費の一部を毎月送金するようになったといいます。また、市役所に相談して「介護保険」「高齢者向け医療費助成」「住宅修繕補助」などを確認。民間の見守りサービスにも加入しました。

 

「お金だけでなく、“見守られている”という安心感が、父の気持ちにも変化を与えました。今では通帳をきちんと管理するようになり、生活も安定しています」

 

年金があっても、すべての高齢者が安定した老後を送れているわけではありません。医療費・物価高・住居修繕・家電の買い替えなど、突発的な支出に備える余裕がない家庭は多く、借金や滞納に発展することもあります。

 

また、「年金12万円」は決して多くはありません。総務省『家計調査(2024年)』によると、高齢単身無職世帯の平均支出は月約15万円。光熱費や食費の高騰が家計を直撃し、赤字になるケースも少なくありません。

 

親が高齢になると、心身の衰えとともに家計管理能力も落ちていきます。

 

「心配ないよ」と言われても、一度は親と一緒に通帳・支出明細・保険内容などを確認し、「現状を一緒に見守っていく」体制を作ることが重要です。もし負担が大きければ、市区町村の地域包括支援センターに相談し、生活支援や成年後見制度の活用を検討するのも一つの方法です。

 

「もっと早く話してくれれば」――。そう後悔しないためにも、親の“沈黙のサイン”に気づける関係づくりが、これからますます求められています。

 

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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