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痛み改善と予防のための生活習慣
膝痛を予防するためには、膝に過度な、また左右どちらかに偏った力をかけないように生活環境を変えたり、治るための動き方の工夫をすることが重要です。
生活環境を見直す
膝痛の人にはまず、床や畳の生活から、椅子とテーブルを使用する生活に切り替えることを勧めます。椅子は低すぎるものではなく、通常の高さで座面が水平なものを選び、肘掛けのあるものが望ましいです。
また、テーブルも同様に、低いものではなく適切な高さのものを使用することで、姿勢が安定し、膝にかかる負担を軽減できます。また、腰痛の場合と同じく、膝の痛みがあるときにはこたつや電気毛布、電気敷布などを絶対に使ってはいけません。温めれば痛みが軽くなるだろうと多くの人がこれらの暖房器具を使いたがりますが、かえって膝の痛みを悪化させてしまうのです。というのも、これらを長時間使用することによって、膝が過度に熱を持ち、炎症が強くなってしまうからです。
特にこたつは、長時間入りっぱなしになりやすいので、使用しないようにしましょう。当然、畳や床に置くタイプはもちろん、掘りごたつも勧められません。冬になると救急外来に来院する患者さんにはこのように温めすぎて痛みが強くなってしまったケースが少なくありません。腰と同様、膝にとっても暖房はこたつを使わずエアコンやストーブにするほうが安全です。また電気毛布や電気敷布は、寝る前に温めておき、寝るときにはスイッチを切って使用するようにすればこうしたトラブルを避けることができます。なお、足元のあんかや湯たんぽは膝に直接触れることがないので使っても問題はありません。
家の中での工夫点としてはほかに、長時間椅子に座っていることは良くないので座る時間が長いときには硬めで座面が水平な3人掛けソファを用意します。ソファでは膝裏に大きめのクッションを置き、仰向けになって読書やタブレット操作を行うなどすれば、椅子に座るよりはるかに腰や膝にかかる負担を軽減できます。また、立ち上がる際も床や畳に比べて膝への負担が少なくなります。
日常動作では、衣類の着脱にちょっと注意するだけで膝への負担を減らすことができます。例えば立ったまま靴下やズボンをはくのは避け、必ず椅子やベッドに腰掛けて行うようにするとか、玄関で椅子に腰掛けて靴を履くなどです。片足立ちはバランスをとる訓練になると思う人がいますが、膝にとってはとても良くないことなのです。
歩くときの姿勢
歩くときは必ず胸を張って背筋をしっかり伸ばし、膝裏も伸びた状態でかかとからそっと着地します。海外のニュース映像で、兵士が隊列を組み行進する様子を見ると、カツカツとかかとを地面に打ち付けるようにして歩いていますが、そのような衝撃の強いかかとの着き方は膝に大きなダメージとなりますので決してしないことをお勧めします。かかとで着地するときはそっと静かに、できるだけ音を立てないようにしてみましょう。しばらく続ければかかとを着くときの音を聞くのも習慣になります。[図表1]で、脚についての細かい説明と、全体的に見た歩き方を示しています。
杖はできるだけ使わない
杖を使うと重心の位置が身体の前方にずれてしまい、自分の身体の重さがブレーキとなって前に進みにくいうえ、膝にも大きな負担がかかってしまいます。膝痛でやむを得ず杖を使っている人も、ある程度、痛みが軽くなってきたら[図表1]を手本に正しい姿勢をつくり、杖を使わないようにしてその姿勢を保ちながら歩く練習をしていただくといいでしょう。最初は転倒のリスクを避けるため、家の中で、すぐそばにつかまれるものがある環境で始め、徐々に距離を延ばすようにするとよいでしょう。これを毎日、続けると杖なしで楽に歩けるようになります。私の診ている患者さんの中にも、外出も思いのままできるようになり、膝痛だけでなく腰痛や肩こりもなくなったという人が大勢います。
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