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安易に手術を受けてはいけない
変形性膝関節症に対し現代の整形外科学では、レントゲンなどの画像検査で得られる関節の変形の程度に応じ、初期から末期まで進行度を分類します。そして変形の程度が大きく痛みも強くて日常生活に大きな支障が出ている場合、最後の手段として手術が検討されます。
変形性膝関節症の手術は主に、脛骨を切って重心を膝関節の中心に移動させる手術(脛脛骨高位骨切り術)と、変形した関節を人工関節に入れ替える方法(人工関節置換術)があります。いずれも身体にメスを入れるので負担は少なくありません。
私も大学病院勤務時代や、開業後も10年ほどは大学で教わったとおり、重症の患者さんに手術を行ってきました。しかし、患者さんによっては手術をせずに治したいとの要望もあることやほかの医療機関での手術成績が良くないケースが多いことから、手術をせずに痛みや動作が改善する方法はないかと考え工夫するようになりました。
そこで治療方針を根本的に考え直し、身体の使い方を工夫して、自然治癒力を十分に活かしていく保存療法(手術以外の治療法の総称)を治療の柱に据えることにしたのです。運動療法とは膝関節の噛み合わせを改善し、可動域を増やすストレッチや、膝関節の安定性をより高める筋トレが主ですが、安全に行えて効果の高いやり方を行えるように考えました。
併せて、勤務医時代はほとんど関心のなかった生活指導に力を入れるようになりました。姿勢を工夫して重心が身体の中心を通ることや、動作時に痛む側に力をかけすぎないように気をつけることなどが主でしたが、日常生活で行う動作の一つひとつに注意して工夫することなどを指導するようにしています。

