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「天まで届け体操」で良い姿勢づくり
長時間立っていたり座っていたりすると腰が痛くなるのは、体幹といっておなかや背中などの胴体部分と下半身の筋力不足も原因です。体幹の筋肉は腕や脚に比べるとどう鍛えたらいいかピンとこない人が多いかもしれませんが、実はとても簡単なことです。良い姿勢づくりをすれば自ずと体幹を鍛えることができます。その良い姿勢づくりに、非常に効果的な体操が「天まで届け体操」です。腕を上げまっすぐのびをすることから、私が命名し、患者さんに勧めるとともに自分も毎日実践しています。
天まで届け体操は次の流れで行います。
① 床の上にまっすぐに立ちます。
② 両手を天井に向けて指先をできるだけ伸ばします。このときにおなかがへこむほど効果があります。これによっておなかをへこます腹横筋という筋肉が強化されます。
③ 胸を強く張り出し、背筋に力が入るのを感じます。
④ 両方のお尻を寄せ、お尻が硬くなるのを感じます。これは殿筋の強化になります。
⑤ 両膝の裏をしっかり張って、膝を伸ばします。これは大腿四頭筋の強化になります。
⑥ ①から⑤までを60秒間程度で行い、その間力を入れ続けます。
⑦ 身体の力は抜かずに腕だけをゆっくり下ろします。お尻や脚の力が入っている感覚を意識して身体で覚えましょう。
⑤と⑦の姿勢を写真で示します。
最初はきつく感じると思いますが、毎日続けると楽にできるようになり、とても気持ちが良くなり肩こりや背中、腰の痛みもとれてきます。
なお、歩くときや椅子に座るときも、おなかをへこませ胸を張るようにします。
この体操を続ければ、良い姿勢を維持するための筋肉を一日中、鍛えることができます。重心がまっすぐになり、脊椎の前後左右の傾きが是正されるので円背が改善されます。これにより腰痛はもちろん、膝痛や股関節痛、肩こりなどの全身の痛みも治っていくのです。
この体操と壁立ちを必ず毎朝1回行いますが、時間のあるときにも随時行うと効果的です。回数に制限はないので、痛みがないときでも仕事や家事の合間に気分転換を兼ねて行えば、痛み予防にもなります。
長時間のデスクワークや立ち仕事をはじめ、日常生活を送っているとどうしても身体に染みついた癖が出てしまい、姿勢が悪くなっていくものです。この体操をするとその癖がリセットされ、また続けるほどに身体が良い姿勢に慣れ、楽にできるようになります。
なお、この体操に慣れてきたら、手を挙げたときに指を思いきり開くようにすると、普段仕事や家事で曲がりっぱなしになりがちな指がよく伸び、腕や手の筋肉のストレッチ運動にもなります。足指も開くようにすれば同じく、膝の筋肉の筋力訓練になります。
こうした姿勢づくりが普段の生活の中で自然にできるようになればしめたものです。例えば人と立ち話をしているときにも、両手を挙げるのは不自然だとしても背すじを伸ばしてお尻に力を入れて膝裏を伸ばすことは誰から見ても美しい姿勢と思われますし、デスクワークで椅子に座っているときにも、おなかをへこませ胸を張ると美しい姿勢になります。こうした姿勢づくりをやればやるほど良い姿勢をつくるための筋肉が鍛えられ、身体の重心も正しい位置になり脊柱のぶれがなくなってきますので、痛みはなくなっていくのです。

