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「好き」を大事にしたことが天職との出会いに
表面的なことは本質ではないですが、表面も最低限、綺麗な状態ではないと人に失礼になるのです。このように、マナーや見た目は生きる武器になるということを専業主婦生活の中で痛感していたので、給料をもらいながらにしてそれを身に付けさせてもらえることに「お得感」しかなかったわけです。
そうして私は、モデルルームの案内役にふさわしい所作や接客スキルを身に付けていきました。大きなタワーマンションの場合、間取りのバリエーションによってモデルルームが何種類かあり、例えば4人家族のお客様には80~100平米以上の部屋を案内することになります。居住空間は、人数×20平米以上あれば将来にわたって快適に暮らせるというセオリーがあるからです。
部屋の内部以外にも、日当たりや騒音、周辺環境といった情報も入念にリサーチし、お客様に最適な部屋をご案内していきます。お客様は一生に一回の買い物を検討しているわけですから、真剣そのものです。上辺だけの説明をしたところで見抜かれてしまいますから、こちらもできる限りの知識を入れ、心を込めて適切な情報を詳細にご案内していきます。
ここでの私を支えてくれたのが、ほかでもない私自身が何度も転居を重ねた経験です。この仕事は初めてでしたが、マンションの購入を検討する「お客様」としての立場の経験値は高かったので、お客様の気持ちや不安に感じるポイントなどが手に取るように分かるのです。
接客される側から接客する側になり、経験をもとにして「こういうふうに言われると、きっと分かりやすいだろうな」「こうすると安心していただけるかもしれない」と考えて自分の接客に反映させていくことは最高にクリエイティブで「なんて面白いことなのだろう!」と夢中になっていきました。
マンションのモデルルームとは、お客様が未来の暮らしを思い描き、思いきり夢を語れる場所でなくてはなりません。そのワクワクと高揚していく空気をつくり、お客様と共有していくことこそが私の仕事なのだととらえて楽しんでいました。
ただ、私が「仕事」というものに夢中になった本当の理由はもう一つあります。私自身のタスクはモデルルームでお客様をご案内するところまでですが、仕事としてのゴールは契約に結びつけることです。私が案内したお客様が部屋を気に入ってくださり、ご契約を真剣に検討する段階になると、クライアントであるデベロッパーの営業におつなぎします。このとき、私の段階で十分にお客様の購買意欲を高めておくと、営業はスムーズにクロージングまで持っていけるので非常に喜ばれます。
案内のプロと、営業のプロ。それぞれの役割で最大限に力を出し切り、チームワークを発揮してご契約という一つのゴールを目指していくことこそが最高に面白かったのです。 それがうまくいき、能力が認められると、クライアントから「また根本さんに入ってほしいのですが」とリピート指名がかかるわけです。
自分一人だけで黙々とやるのではなく、指示されたことを淡々とこなすだけでもなく、チームの中で自分の強みを積極的に発揮することでいい連携が生まれ、一連の流れの中で役に立てている実感を持てることが、私が何よりこの仕事にハマった理由です。
同僚の中には引っ込み思案だったり、優しすぎてお客様にお薦めしきれないことを悩んでいたりする人もいた中、私は特に躊躇することはなく、お客様に寄り添いながらもここぞというところで背中を押すような接客が苦になりません。そんな私の性格に、この仕事は非常に合っていました。
自分の「好き」を大事にし、やりたいと思うことは自らの判断と責任でやるという選択を重ねてきたことが、天職との出会いにつながったのです。
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