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経営者の孤独、人生の孤独
会社を続けてきて感じていたのが「経営者とは孤独である」ということです。少し格好つけた言い方ですが、実際に誰にも相談できないこともあります。例えばこのままいく判断をするのであれば、うまくいかないリスクに備えることもできます。
それは仕事でなくても当てはまることで、例えば夫婦関係がうまくいっていないときに、0か100かの思考で焦って別れるかどうかを決める前に「夫との距離感を調整してみると解決できそう」ということが分かったりすれば、また新たな角度から目の前の問題を見ることができ、突破口が見いだせます。
そしてもう一つ考えるのは、人間はどんなことでも自分で考えたり自分で決めたりできますが「いつ生まれるか」「いつ死ぬか」といういちばん肝心なことは自分の意志で決められないということです。
どの国に生まれるか、誰の子どもに生まれるかも、自分の意志の外にあることです。だから「やっぱり自分は“生かされている”のだな」と思います。
自分のことを自分で決めるのが大事である一方で、自分の力ではどうにもならないことがあり、流れに委ねたほうがいいこともあるのだなと意識すると、また自分の人生を見る視野が広がってきます。自分が川に浮かんでいる船に乗って海に向かって進んでいるとすれば、周りの景色はどんどん変わっていきます。
これが湖の中で泳いでいるアヒルであれば、常に景色は変わりませんが、川だと常に変化します。つまり、目指すところがあって進んでいると、いいことも悪いことも必然的に移り変わっていくということです。
例えば友達だった人と自然に距離ができたりすると「あんなに仲良かったのにな」などと引きずられるような気持ちになったりしますが、自分がいるのは流れる川の中なのだと認識すると「それも自然なことだな」と思えるようになります。
経営者が孤独を感じるのは、ずっと長い川をずっと一人で行くからなのだと思います。どんどん周りの景色が変わって、そのたびに寂しさも味わいますが、絶対にその人しか見えないものがあり「ああ、ここまで来たなあ」という、孤独の中で頑張ってきた人にしか分からない清々しさは絶対にあるはずなのです。
自分の力では止められない川の流れの上に、そもそも自分はいるということをまず理解したうえで、自分の意思で決められることは自分の意思で決めるのが大事なのです。
自分の道を自身で選択できる環境に感謝する
人はとかく他者と比べがちですが、それをしたところで自分は変わりませんし、自分のことを守るのは自分しかいません。これを私は社員たちにもいつも言っています。そして、自分で自分を守れること、自分の道を堂々と行けるような環境に身をおけているのは、感謝するべきことです。
例えば戦争をしている国の人は、どうしてもそれがかなわないからです。それを分かったうえで今、自分が自分の意思でできる環境を与えられている人が動くべきなのは、自分の運命を決めるためです。
考えることは大事ですが、いつまでも考えていて立ち止まっていては何も始まりません。だからこそ私の場合は、統計学を勉強してでも自分の運命を自分で決められる私でいようと思ったのです。
自分で決めたのであれば、今いる場所から去ることも、残ることもいいと思います。もしも自分が働いている目的と、勤めている会社の理念がズレてきたなと感じたら、それはそのままでいるとお互い不幸になることだから去ってもいいと思うのです。
とにかく我慢して続けることを美徳とする考え方もあるかもしれませんが「何がその人の幸せなのか?」という基準で考えたら、私は去ってもいいと思うよ、と言葉をかけたいのです。
