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日本は一律課税、米国は所得で変動…合理的なアメリカの税制
税制面でも、日米で違いがみられます。日本では公的年金は「雑所得」として総合課税され、年金控除後の額が他の所得と合算されて課税対象となるのに対し、アメリカでは年金所得の課税割合が、その人の年間所得全体に応じて変化します。
たとえば、老齢年金を年間1万8,000ドル(約280万円)受け取り、401(k)から4万ドル(約623万円)を引き出している場合、年金の50%(9,000ドル)のみが課税所得計算に加算され、総所得は4万9,000ドル(約730万円)となる。
この場合、年収が一定額(単身3万4,000ドル、夫婦4万4,000ドル)を超えるため、年金受給額の85%が課税対象となります。アメリカでも年金は「非課税」ではなく、税制の影響を強く受ける点で注意が必要です。
本質的な問題は「物価」ではない…日本人が直視すべき、日本の“貧しさ”
また、生活費を比較しても、両国の格差は明白です。筆者の事務所があるロサンゼルスでは、ランチにうどんやカレーを食べるだけでも平均20ドル(約3,000円)。これに10%の売上税と20%のチップが加わり、1人あたり26ドル(約4,000円)、夫婦なら8,000円近くになります。夕食であれば軽く2万円を超えます。
日本では「物価が高い」といわれますが、世界的に見れば依然として低水準です。本質的な問題は「物価」ではなく、「所得水準の低さ」にあります。多くの日本人がこの点を十分に自覚していないのです。
アメリカの年金制度は決して完璧ではありませんが、少なくとも物価上昇に応じて年金額を調整するという合理的な仕組みを持っています。言い換えれば、政府が生活不安を軽減するための最低限の努力を行っているといえるでしょう。
一方の日本では、社会保障費の国民負担は増す一方で、受け取る年金が増える見込みはありません。国会でも「年金が実質的に目減りしている」という国民の声はあまり響いていない様子。結局のところ、財源がないのです。
私たちはいま、「豊かな国」ではなく「貧しい国」になりつつある現実を、冷静に直視すべきときにきています。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
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