もしも養子縁組後に「結婚関係が破綻」したらどうするか?
あまり考えたくないことですが、再婚時に連れ子と養子縁組をしたものの、その後に夫婦関係が破綻して離婚することもありえます。
しかし、養子縁組によって生じた親子関係は「離縁」をしない限り、自動的に解消されることはありません。
相談者のケースでは「普通養子縁組」を行うことになりますが、普通養子縁組の場合は離縁が可能です。養親と養子(※未成年の場合は親権者)の双方が合意し、「養子離縁届」を市区町村役場に提出すれば解消できるのです。
婚姻関係における離婚の手続きと同じような手続きと思って頂ければいいでしょう。
連れ子を「法定相続人」にすることなく、財産を残す方法もある
では、連れ子を「法定相続人」にせずに財産を残すにはどうすればいいのでしょうか。
その場合は、遺言書を書いて遺贈することが一般的です。この場合、相続人ではないため、「遺贈」という扱いになります。
遺贈には下記の2種類があります。
「特定遺贈」→具体的な財産を指定
例:「自宅マンション」など
「包括遺贈」→相続財産のすべて、または一定割合を指定
例:「全財産」「全財産の3分の1」などのように指定
生前贈与するという方法もありますが、一般的に相続税に比べて贈与税が高額になるため、あまり現実的ではありません。非課税で贈与できる額も年間110万円までなので、無税で贈与できる額にも制限があります。
なかでも、被相続人が亡くなる直前の生前贈与は、ほかの相続人とのトラブルのリスクにもなりやすく、相続税の税務上も持ち戻しの問題が生じることがあります。このため、税理士等のアドバイスのもと、生命保険などを活用する方もいます。
今回のケースでは、現在住んでいる自宅の扱いがポイントになると想定されます。
自宅不動産の分割が極めて困難です。土地や建物を等分に登記することはできますが、管理や処分の際のトラブルの元になることが多く、現実的に1人1人が自由に処分をすることもできません。そのため、今後の方針で揉めることが多いのです。
「自宅に暮らしたい」「売却して現金化したい」など、相続人同士で希望が分かれることもありますし、子どもの代で不動産の対応に結論が出なければ、孫の代まで問題が尾を引き、権利関係がさらに複雑化することも考えられます。
そのため、今回の相談例のようなケースにおいては、せめて自宅不動産についてだけでも、特定の相続人、できれば1名の相続人に相続させる公正証書遺言を準備することをお勧めします。
その他、保険金などを活用した遺留分対策なども検討したいところですが、それは資産構成によって適切な選択肢が変わってきますので、ケースバイケースによる対応が望ましいでしょう。
