「相談してほしかった」気持ちのすれ違い
「母は悪気がなかったのはわかっています。でも、せめてひと言相談してくれていたら…」
俊明さんは、「思い出ごと処分されたような気持ち」になったと話します。
一方で母の静江さんは「誰にも相談せずに処分したことは悪かったけれど、ひとりで不安な夜を過ごしていた」と涙ぐむ場面も。親と子、それぞれにとっての“価値”や“思い出の重み”は異なるのです。
近年は「生前整理」が注目されていますが、整理の仕方・残す物の選び方は一歩間違えれば“家族のすれ違い”や“感情のもつれ”に発展しかねません。
俊明さんは、今回の出来事をきっかけに、母と「今後の暮らし方」や「最期の迎え方」について話し合いを始めたといいます。
「形見は物だけじゃないけれど、やっぱり“あのとき父が使っていたもの”を手元に残しておきたかった。次は、母の気持ちもちゃんと聞きながら、残すもの・手放すものを一緒に考えたいです」
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