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100歳の祖母の葬儀を終えたが思わぬ横槍
東京都内に住む会社員の後藤千賀子さん(45歳・仮名)は、先日、100歳を迎えたばかりの祖母を亡くしました。
「大往生でした。入所していた施設から連絡が入って、すぐに群馬の実家に駆けつけました」
祖母の家は千賀子さんの実家から車で20分ほどの距離にありますが、すでに施設入居前から空き家状態になっており、その管理のために、75歳の母と80歳の父が同居していました。
「母は『おばあちゃんが戻る場所だから』と、ずっと家を守ってきたんです」
千賀子さんは両親と一緒に3人で協力して葬儀を取り仕切りました。千賀子さんの家族(夫と小学校5年生になる娘)はあとから合流しました。葬儀費用は100万円を少し超える程度でした。
「急なことで、どこの葬儀社に頼めばいいのかわからないまま。施設の方が紹介してくれた地元の葬儀社にお願いしました。担当の方がとても信頼できて、打ち合わせも丁寧で、特に不満はありませんでした」
しかし、葬儀が終わったあと、思わぬところから波風が立つことに。
「葬儀社の言いなりになったんじゃないの?」
葬儀後、母の妹にあたる叔母(73歳)がこう言い出しました。
「あんなに質素な式なのに、100万円もかかったの? もっと節約できたんじゃない? 葬儀社の言いなりになったんじゃないの?」
「母とは昔から折り合いが悪くて……。母が喪主だったので、叔母の言葉には棘がありました。でも、確かに“適正価格”がどれくらいなのか、私もわからなくて。母も動揺してしまいました」
悲しみの中で、わずか数時間のうちに葬儀社を選び、内容を決め、費用を支払う――。
「祖母をちゃんと送りたい」という気持ちが最優先で、冷静な判断ができる状況ではなかったと千賀子さんは振り返ります。
「でも結局、私が叔母に『おばあちゃんの世話はほとんどうちの両親に任せていたくせに勝手なことを言わないでくれませんか?』って言っちゃったんです。叔母はプリプリ怒って帰っちゃいました」
約4割が「亡くなる前」に葬儀社を探す
燦ホールディングスが40~70代の男女1,000名を対象に行った、ライフエンディングに関する調査によると、葬儀社を探すタイミングは「家族が亡くなったあと」が約6割(63.9%)と最も多いが、「亡くなる前から探していた」という人も約4割(36.1%)にのぼります。近年では“終活”の一環として、葬儀社を事前に調べる人が増えているといいます。
一方で、亡くなった直後に探し始める場合は、深い悲しみの中で短時間に決断しなければならず、比較検討が不十分になりがち。結果として「もっと調べておけばよかった」と後悔を抱くケースも少なくありません。
