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教訓2:マーケットの変動による収入への影響はありますか?
賢治がSNSのカリスマ投資家に傾倒したように、配当や利息に魅力を感じる人は多いでしょう。しかし、このような投資対象で資産運用を考える場合、リターンの安定性やリスク特性を正しく理解することが重要です。
賢治さんが直面したように、SNSや広告でみかける「高配当」「高利回り」といったキャッチフレーズには、マーケット変動リスクが織り込まれていない場合があります。
株価が大幅に下落した場合、その原因が企業の業績悪化や景気後退であれば減配リスクが高まります。「いまの配当利回りが高いから」といって、将来も安定して高配当が維持されるとは限りません。株式市場は短期的に大きく値動きするため、受取配当額以上の損失を被る可能性もあるでしょう。
また、外貨建て債券を保有している場合、円高になると受取利息や元本を円に換算したときの金額が目減りしてしまいます。為替相場を正確に予測することは極めて困難であり、「想定より円高が進んでしまい、思ったほど利息収入が増えなかった」という事態は十分に起こり得るのです。
さらに賢治が見落としていたのは、源泉徴収による手取り額の減少です。配当金や利息収入には20.315%の税金が自動的に差し引かれるため、額面上の利回りと実際の手取り額には大きな乖離があります。投資判断を行う際には、「いま提示されている配当利回りや利息が永続する保証はない」という前提に立ち、リスク許容度やライフプランに応じ、慎重に検討しましょう。
1億円の蜃気楼
田中さんの事例は1億円という資産がゴールではなく、人生という長い航海を乗り切るための羅針盤の一つに過ぎないことを教えてくれます。彼の最大の過ちは、その羅針盤だけを頼りに、自らの船を漕ぐ力である人的資本を放棄してしまったことでした。
資産運用は、より豊かで強靭な人生戦略を築くための一つの要素として捉えるべきです。元本を取り崩すことの心理的負担、有限で減っていく可能性のある資産を管理することの精神的プレッシャーを考えれば、経済的な自由とは口座の残高だけでなく、心の平穏によってもたらされることが理解できるでしょう。
賢治が最終的に手に入れた「安心」と「目的」は、1億円という金額だけでは決して得ることができなかったものでした。それは、安定した収入源と適切な資産運用を組み合わせた、バランスの取れた人生戦略から生まれたのです。
亀井 岬
株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル
独立系資産運用アドバイザー(IFA)
※株式会社 アイ・パートナーズフィナンシャル 金融商品仲介業者 関東財務局長 (金仲) 第314号
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