(※写真はイメージです/PIXTA)

親が亡くなったあと、空き家となった実家をどうするか――。相続人が遠方に住んでいたり、誰も住む予定がなかったりする場合、管理の手間や税負担から「売却」という選択を迫られるケースもあります。2024年4月には相続登記が義務化され、放置によるリスクはさらに高まりました。

「兄妹で同居」…条件は“干渉しすぎない”こと

同居にあたってはルールを決めました。

 

●寝室は完全に分ける

●食事は自由、共食は週に1〜2回程度

●家事は役割分担(洗濯:妹、掃除:兄)

●光熱費・家賃は完全折半

●生活ルールを書面で簡単に記録

 

「一度“親と同居していた妹”という形になった後、それぞれ独立して、また同居する。だからこそ“対等”を大事にしようと決めました」

 

物件は駅近の2LDK、家賃は月12万円。売却益の一部を初期費用にあて、契約名義も連名に。

 

「兄妹同居、変わっていると言われるかもしれないけど、無理なくやれています」

 

実家売却で得たもの、「帰る場所」ではなく「新しい拠点」

 

「やっぱり、実家がなくなるって寂しいんですよ。田舎に帰るって感覚がなくなった」

 

とはいえ、空き家を放置するリスクは年々増加しています。

 

特定空き家に指定されれば、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)も解除され、税負担が最大6倍になることも。放置による近隣トラブル、倒壊リスクなども加味すれば、「管理できないなら手放す」判断は合理的とも言えます。

 

●相続登記の義務化(2024年4月〜):相続発生後3年以内に登記申請が必要。過料の可能性もあり。

 

●空き家対策特別措置法:適切に管理されていない空き家は「特定空き家」に指定され、固定資産税の軽減が外れることも。

 

●共有名義のリスク:相続で兄妹共有になると、売却や処分には原則として全員の同意が必要。早期に話し合い、単独名義にまとめるなどの対処も有効。

 

●家族間の同居:同居により、世帯構成や税制(扶養控除、住民税の判定など)に影響することもあるため、役所への届け出や税理士への確認も推奨。

 

「子どもの頃の“兄と妹”とはもう違います。でも、“家族”であることは変わらない」

 

お互いに助け合える関係で、同じ空間を共有できるなら、それは新しい“帰る場所”になるのかもしれません。

 

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