「高市円安」の反動続く…「新総理」誕生でも円高ムード持続か。今週の予想レンジは〈148~152円〉【国際金融アナリストが解説】

10月21日~10月27日の「FX投資戦略」ポイント

「高市円安」の反動続く…「新総理」誕生でも円高ムード持続か。今週の予想レンジは〈148~152円〉【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

米ドル/円は、高市自民党新総裁誕生をきっかけに進んだ「高市円安」の反動が続いています。公明党の連立離脱や日米の金利差の縮小、株価の反落などを背景に、先週は一時149円台まで円高が進行しました。新総理決定や米中貿易交渉など、注目イベント目白押しの今週ですが、マネックス証券チーフFXコンサルタント・吉田恒氏は、「株高=円安」再燃の可能性は限定的とみています。その根拠と今週の予想される相場展開について、本記事でくわしくみていきましょう。

日本株に“上がり過ぎ”懸念も、「株高=円安」再燃は限定的か

日本では21日に臨時国会が召集され、高市新総理が誕生する見込みとなっています。これを受けて、先週目立った債券高(債券利回りの低下)や株安の流れが、今週の米ドル/円相場にどう反応するかが注目されます。

 

先週の株安については、短期的な“上がり過ぎ”に対する反動もあったと考えられます。

 

高市新総裁誕生後の株価急騰により、日経平均の90日MA(移動平均線)からのかい離率は一時プラス16%近くまで拡大し、“上がり過ぎ”懸念がかなり強まっていました(図表7参照)。この水準を踏まえると、株高の再燃に一定の限界があるとみられます。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表7]日経平均の90日MAかい離率(2000年~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

ここまでの日経平均の上昇は、米国株の最高値更新に連動した動きのようにもみえました(図表8参照)。

 

しかし、その米国株は、米中貿易交渉を巡る対立の影響もあり、このところ不安定な動きが続いています。仮に米国株が大きく下落するようなことがあれば、日本株も“上がり過ぎ”の修正を受けて下落が広がる可能性があり、注意が必要です。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表8]日経平均とナスダック総合指数(2025年1月~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

今週の米ドル/円予想レンジは「148~152円」

高市「新総理」の誕生を受けて、債券市場がどのように反応するかは依然として不透明です。

 

ただし、少なくとも「株高=円安」の再燃は限定的で、仮に株安が拡大する場合、円高が進む可能性があるでしょう。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は「148~152円」と予想します。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

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