日本株に“上がり過ぎ”懸念も、「株高=円安」再燃は限定的か
日本では21日に臨時国会が召集され、高市新総理が誕生する見込みとなっています。これを受けて、先週目立った債券高(債券利回りの低下)や株安の流れが、今週の米ドル/円相場にどう反応するかが注目されます。
先週の株安については、短期的な“上がり過ぎ”に対する反動もあったと考えられます。
高市新総裁誕生後の株価急騰により、日経平均の90日MA(移動平均線)からのかい離率は一時プラス16%近くまで拡大し、“上がり過ぎ”懸念がかなり強まっていました(図表7参照)。この水準を踏まえると、株高の再燃に一定の限界があるとみられます。
ここまでの日経平均の上昇は、米国株の最高値更新に連動した動きのようにもみえました(図表8参照)。
しかし、その米国株は、米中貿易交渉を巡る対立の影響もあり、このところ不安定な動きが続いています。仮に米国株が大きく下落するようなことがあれば、日本株も“上がり過ぎ”の修正を受けて下落が広がる可能性があり、注意が必要です。
今週の米ドル/円予想レンジは「148~152円」
高市「新総理」の誕生を受けて、債券市場がどのように反応するかは依然として不透明です。
ただし、少なくとも「株高=円安」の再燃は限定的で、仮に株安が拡大する場合、円高が進む可能性があるでしょう。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は「148~152円」と予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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