10月21日~10月27日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・米ドル/円は先週、一時149円台まで下落した。高市自民党新総裁誕生をきっかけに進んだ「高市円安」の反転が続いている。
・ドル安・円高に戻した背景には、日米金利差縮小への反応など、複数の要因が考えられる。そのうちのひとつである「株安」は、短期的な“上がり過ぎ”に対する反動とみられる。したがって、「株高=円安」再燃は限定的となる見込み。今週の米ドル/円は「148~152円」と予想する。
一時1ドル=149円台まで下落…「高市円安」の反転続く「3つの理由」
10月4日、高市新総裁が誕生したことをきっかけに、米ドル/円は一段高となりました。
しかしその後、10日に公明党が連立与党からの離脱を表明したことなどをきっかけに反落。この流れは先週も続き、一時1ドル=153円から150円を割り込むまで米ドル安・円高が進みました。このように米ドル安・円高が続く背景には、以下の3つの要因が考えられます(図表1参照)。
理由1.「債券売り=円売り」からの転換
ここ数ヵ月続いた米ドル/円の上昇は、日本の長期金利の上昇と方向的には一致していました(図表2参照)。
したがって、米ドル高・円安の背景には、「債券利回り上昇=債券価格下落」、そして日本の政治が財政赤字拡大に向かうことを警戒した「債券売り=円売り」の影響があったと考えられます。
つまり、候補者のなかでも特に積極財政を掲げていた高市氏が新総裁に選出されたことを受けて、円売りが急拡大したことで153円まで円安が進んだのではないでしょうか。
ただし、公明党の連立与党離脱により、かりに高市政権が誕生しても、少数与党の状況が変わらない可能性が浮上しました。それは高市氏の積極財政の制約になる可能性がある、そういった見方から「債券売り=円売り」の反動となった流れが先週も続き、それが米ドル安・円高への戻りを後押ししたということだったのではないでしょうか。


