消費税はいつのまにか、こんなに上がっている
当たり前の話ですが、税金が増えれば、その分私たちの手取りは減ります。だから税金は、私たちの手取り額や貯蓄額にとって大きな影響をもちます。そしてその税金も、改悪が続いているのが実情です。
たとえば、私たちが毎日支払っている、身近な消費税について、その具体的な中身を見てみましょう。
消費税は、昭和が終わり元号が平成に変わった1989年にスタートしました。当初は3%でしたが、その後1997年に5%に上昇。そして2014年に8%、2019年には10%と、徐々に税率が上がってきました。
その税率アップにともない、当初は3.3兆円だった税収は、
・2000年に9.8兆円
・2010年は10兆円
・2020年が21兆円
・2024年は23.8兆円
と、増え続けています。
消費税を例に挙げましたが、国全体の税収としても2024年度は約75.2兆と、5年連続で過去最高を更新しました。
しかし、これほど税収が増えているのに、国が自主的に減税する気配はありません。つまり税収が増え続けても、国は決して満足しない。今後も私たちの負担は重くなり続ける可能性がある。そういうことです。
ちなみに私たちの生涯賃金に、消費税はどれくらいの割合を占めているのでしょうか。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2020」のデータによると、生涯賃金は大卒男性で2.92億円。そのうちの半分を生活費で使ったとすると1.46億円で、今の税率10%で計算すれば、消費税の総額は1460万円となります。
私たちは消費税だけでこれだけの金額を支払うのです。なおこれは、あくまで今の税率での話です。今後税率が上がる可能性は高く、仮に10%から15%に上がるとすると、支払う消費税はさらに700万円以上増えてしまうことになります。
負担額がゼロから11兆円に増えた介護保険
次は、社会保険制度についても見ていきましょう。たとえば40歳以上の方には加入が義務づけられている介護保険。2000年に始まった制度で、もちろん社会保障として大切なものです。しかし、介護保険の料率は毎年少しずつ上がっており、保険料が家計に与える負担は重くなり続けています。
当然介護保険費用も増えており、介護保険が始まって10年後の2010年には7.8兆円。20年後の2020年には11.1兆円と急増しています。元々ゼロだった私たちの負担が、いつのまにか11兆円にまで増えている。そして多くの人がそのことに気づいていない。これは怖いことですね。
すでにあるこうした制度は今後もさらに続きます。さらに負担が増える可能性もあります。これまでになかった制度が新しくつくられる可能性もあるでしょう。

