世界を俯瞰で見てみよう
世界は広いです。日本やアメリカだけに目を向けるのではなく、世界に目を向けることで、より大きな投資のチャンスを得ることができます。
たとえば人口と経済規模は強い関連があり、基本的には人口が多いほど経済規模が大きくなります。投資するのであれば、これから人口が増えるかどうかが重要です。
そう考えて世界に目を向けると、「人口ボーナス期」というチャンスが見えてきます。これは「15~64歳の生産年齢人口がそれ以外の従属人口を上回る状態」と定義されていて、マクロ経済学では重要キーワードとなっています。
人口ボーナス期の国は、豊富な労働力を背景に個人消費が活発になり、経済が拡大しやすい特徴があります。
なお日本でも、過去には「高度経済成長」と呼ばれる時期がありました。年10%前後の経済成長率が、1955年頃から1973年頃まで約20年近くも続いたのです。GDPは約10倍に増加し、株価は15倍にもなりました。この時期には2度目のベビーブームがあり、人口が急速に増えた時期でもありましたので、高度経済成長は人口ボーナスが一因であったと言えるでしょう。
残念ながら今の日本は人口が減り続けていますので、経済が爆発的に伸びるタイミングではなくなってしまいました。これから投資するなら、かつての日本のように高度経済成長する国を見つけましょう。
人口ボーナスのチャンスはどこにある?
世界を見わたせば、人口が増えている国はたくさんあります。そして当然、経済が成長している国もいくつも存在します。そのような国に投資すれば、チャンスが大きいのは当然ですね。
たとえば、インドです。インドの人口は、1950年の約3億6000万人から2022年には約14億2000万人まで増加しました。2023年には中国を上回り、世界最大の人口大国となっています。
経済はどうかというと、過去30年でNIFTY50平均株価(日経平均のインド版ととらえてください)が約25倍になっています。なおIMF(国際通貨基金)の推計によると、2025年にはインドが日本のGDPを抜くと予測されています。一国民としては寂しい話ですが、投資家として考えると、むしろチャンス到来です。
一方、将来についてはどうでしょうか。国連の推計によると、インドの人口は2050年には約16億6800万人になると予測されており、これは中国の約13億1700万人を大きく引き離す規模です。平均年齢も28〜29歳と若く、2050年までは人口ボーナス期が続くと見られています。そして将来、2070年頃にはアメリカ並みの経済規模になるとも予測されています。
いかがでしょうか。人口ボーナス期という考え方を知っておくだけで、投資の視野が広がりますね。ぜひあなたも投資家マインドで成長している国に投資して、資産を増やすことを考えていきましょう。
永江将典
公認会計士・税理士・投資家
※本記事は『最強の投資と節税 二刀流税理士のお金の増やし方』(ワン・パブリッシング)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。



