「年金で暮らせる場所を探して」格安リゾートマンション購入
「東京のワンルーム賃貸だけでも月7万円以上かかっていました。水道光熱費や食費を入れると、毎月赤字。老後破産まっしぐらだと思いました」
そう語るのは、都内在住の元自営業・高田靖さん(仮名・70歳)。退職金はほとんど使い切り、現在の収入は月12万円の国民年金のみ。都内での一人暮らしは経済的に厳しく、数年前から「地方移住」を真剣に検討していたといいます。
そんなとき、ネットで見つけたのが「湯沢の格安リゾートマンション」の中古物件情報。駅から徒歩10分圏内、温泉付き、管理費込みで月1.5万円程度。購入費用はなんと25万円。
「管理費は気になりましたが、それでも都内の家賃に比べれば格段に安い。写真を見る限り、部屋もきれいでしたし、“これだ!”と思って即決しました」
しかし、実際に湯沢での生活が始まると、想定外の問題がいくつも浮上しました。
まず直面したのは、交通と買い物の不便さ。駅こそ近いものの、町全体に高齢化の影が差しており、平日の昼間に開いているスーパーは限られ、バスの本数もわずか。運転免許を返納していた高田さんにとって、生活圏の狭さは想像以上に深刻でした。
「買い物に出かけるのも一苦労。雪が積もる冬場は、外に出ることすら怖くて…」
さらに、管理費と修繕積立金の実態も重くのしかかりました。
「管理費と温泉使用料、修繕積立金を合わせると、月額1万8,000円近く。暖房代は電気ヒーターで賄うしかないため、電気代が冬場は1万円を超えることもありました。結果的に“安いから買った”はずなのに、光熱費や管理費を含めると、都内のUR団地に住んでいる友人より出費が多くなっていたんです」
