ゴールド以上のクレジットカード利用は全体の約2割に伸びるも、金融サービス利用はいまだ限定的
携帯電話会社やそのグループ会社が提供する各金融関連サービス(クレジットカード、銀行/ローン、証券、保険)の利用状況を確認すると、ゴールド以上の上位クレジットカードの利用者が、前年から+8ポイントの21%となった。年代別で見ても、いずれの層でも2割前後となっている。一方で、上位クレジットカードの利用状況には事業者間で差が見られ、この違いは、ポイント還元を軸とした「ポイ活」への親和性や若年層に向けた戦略的なアプローチ有無が影響していると推察される。
月々の決済額(金融決済連携プランの還元特典対象となる決済に限る)をみると、「10万円超」利用者は調査全体の10%に対して、上位クレジットカード所有者では42%に達しており、決済規模の違いが確認された。
しかしながら、携帯電話会社グループの金融サービス利用が十分に広がっているとは言い難い。上位クレジットカードの利用は、前年から増加傾向にあるものの現状では約2割にとどまっている。さらに他の金融サービスについても、銀行が2割前後、証券が1割前後にとどまっている事業者も見られ、利用の広がりは限定的であることがうかがえる。
こうした状況を踏まえると、今後の経済圏拡大にあたっては、短期的なポイント付与や還元策だけでは限界があり、通信を核とした金融を含む生活インフラブランドとして、長期的な視点で顧客との関係構築を深めることが重要だと考えられる。

