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地方物件がほとんど何もせず、次々に決まった事例
地方での賃貸経営に関する興味深い経験を紹介します。
北関東で、買ってからクリーニングすらせずに入居が決まった戸建てがありました。それも、複数です。私の所有する賃貸用戸建ては、シングルマザーの方にご入居いただいている割合が非常に高いです。駐車場が1台しかとれない物件には漏れなくシングルマザーの方々が住んでくれています。
私にとってはあり得ないことですが、地方ですとシングルマザーというだけで入居拒否する大家さんもいます。そのため、私が賃貸仲介さんに「シングルマザーさん歓迎です」と伝えておくだけで、すぐに次の入居者さんが決まるのです。
車やバイクを停められるような広い庭スペースがある戸建ても人気です。「P3台可」などの強みがある物件からは、たいてい40代以上の一人暮らしの男性から申し込みが入ります。入居期間も長いです。他に、家賃を少し安めにして「DIY可能」で募集したときも、申し込みが早かったです。このような需要があるのは、やってみて分かったことでした。
これらはすべて、「地方の築古物件」「売りに出しても高く売れないので、貸すことしかできない物件」での話です。私の感覚からすると、首都圏で賃貸客付けするよりも、むしろ楽に決まります。首都圏では5000万円で買った家の家賃収入が20万円ということも珍しくありません。一方、地方で20万円の家賃収入を得るなら、100万円の戸建て4戸でもそれが可能です。
こんな書き方をしていいか迷いますが、地方の戸建てには本当に夢があると思います。
私は先に起業してビジネスの世界に入ってから、最後に大家さんになりました。ビジネスで渡り歩いていらっしゃる方と、大家さんで活躍している方々は正直、事業家としてのレベルがまるで違います。大家業は普通の人でも成果を出せる数少ない事業です。
ビジネスの世界には、起業して借金だけ残る人が大勢いますが、地方の戸建て投資は違います。一定の勉強をして、仕組みを理解したうえで一歩を踏み出すことができれば、失敗の可能性はかなり低いですし、万が一失敗したとしても、傷は小さく、また立ち上がれる金額です。
もちろん、売却益や資産価値という面では首都圏の物件にかないません。しかし、首都圏の戸建ては価格が高く誰もが買える金額ではないうえに、「利回りが低い(5~6%未満)」という問題があります。
中には利回りも悪くない、売却益が取れるような物件もありますが、そういうものはプロがさっさとかっさらっていきます。もし、プロが買わなかったとしても、ポータルサイトに掲載された瞬間から問い合わせや申し込みが殺到するでしょう。
これらの競争に首を突っ込まずに買おうとすると、どうしても「利回り」を犠牲にすることになります。
しかし、目先のキャッシュフローを得たい投資家にとっては、この種類の不動産ばかりを買い進めても、目的は達成できません。
事実として、私自身も首都圏のこの類いの物件を複数持っていますが、目先のキャッシュフローだけに着目すれば、平均するとゼロに近いリターンです。地方物件のキャッシュフローがあってこそ、私のポートフォリオが成り立つのです。
