「早く買わなきゃ、家賃を払うのもったいない」
田村翔太さん(仮名・36歳)は都内の中小企業に勤めるサラリーマン。年収は580万円で、妻の奈緒さん(仮名・36歳)は小学生と幼稚園の男の子を育てる専業主婦です。
一家は神奈川県の家賃15万円のマンションで暮らしていました。多少狭さはあるものの、それほど不便はありません。しかし子どもが生まれてからというもの、夫婦は「家を買うか、賃貸か」「買うならいつか」で議論を続けていました。
「家の価格も上がっているし、このまま賃貸で家賃を払うより、絶対に今買って自分たちのものにしたほうがいい。ローンを返しながら貯金も頑張ったほうが効率的だよ」
マイホームへの憧れも強かった奈緒さんは、じきに自分も仕事に復帰すること、夫婦で収入を増やしていけばいいこと、貯金はすでに500万円あることを挙げ、今が買うべきタイミングと翔太さんに訴えます。
翔太さんも「たしかに、これ以上貯金が貯まるのを待っていたら、あっという間に年を取ってしまう」と同意。
こうして、神奈川県の駅徒歩5分の3LDK新築マンション、価格は5,800万円を購入。頭金500万円を入れ、ローン総額は5,300万円。変動金利で35年、毎月の返済は約14万5,000円です。管理費・修繕積立金を合わせると月16万円弱となり、年収とのバランスはギリギリの設定でした。
翔太さんは「頭金に使って貯金はすっからかん。年収的にも、かなり背伸びをして買いました。でも、家はいつかは買うもの。みんな買ってるんだから。きっとなんとかなるでしょ」と自分に言い聞かせていたといいます。
