平均金額は1年に約18万円!孫への支出は増加傾向に
一般的に、シニア世代は孫にどのくらいお金を使っているのでしょうか?
ハルメク 生きかた上手研究所が、55~87歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性で孫がいる人259人を対象に行った調査「シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査」によると、孫に使うお金の平均金額は約18万円/年となり、2023年と比較して3.7万円もアップしていることが明らかに。お金の使い道の上位には「お小遣いとして現金を渡す」「食事代」、そして「モノを買い与える」が挙げられています。
2025年の調査では「20万円以上」の割合が増加し(2023年:18.8%⇒2025年:24.3%)、平均金額が約3.7万円増加したことからも、祖父母の「孫消費」への意欲は高まっていることがわかります。
しかし、孫の年代が上がるほど「モノを買い与える」支出は減少し、代わりに「お小遣いとして現金を渡す」などが増加する傾向にあります。
絵里さんの義実家も、関係が悪化する前は、娘に似合う服やおもちゃを贈ってくれていました。絵里さんは、自分の娘だけでも義実家から年間でおよそ20万円ほど、プレゼントやお年玉などの現金を受け取っていたと想像しています。
「うちは恵まれている」と義実家には感謝する一方で、だんだんエスカレートする義妹の“クレクレ攻撃”に、絵里さんは図々しいと思いながらも、「どうせなら全部現金のほうが後腐れなくていいのに」と考えてしまい、そんな自分の思いにも嫌気がさしていたのでした。
モノを介さない付き合い方を模索
義実家との関係を断ち切ることで、一時的にスッキリした絵里さんですが、このまま疎遠になるのは得策ではないと悩んでいます。特に、娘さんの寂しそうな表情を見ると、関係性の修復が必要だと感じ始めています。
そこで、絵里さんが仲の良いママ友に相談したところ、「だったら一緒に食事に行ったり、LINEで写真を送りあったり、体験を一緒にすればいいんじゃない?」とアドバイスを受けました。
確かに、義実家との関係悪化は「モノの贈り物」が問題の引き金になっているため、絵里さんは「今後はモノを媒介しない形で義実家と付き合っていくのもいいな」と思いました。
早速、夫を通じて義母に「一緒に食事に行きたい」と伝えたところ、義母は二つ返事で快諾。その週末、久しぶりに絵里さん一家と義母は都内のデパートで食事をしました。会計は誘った側の絵里さん一家がもつつもりでしたが、義母も孫に会えて嬉しかったのか「久しぶりだから」と言って、結局食事代は義母が出してくれました。
そして、食事の後、義母は「せっかくだから」と孫へのプレゼントとして服を買ってくれることに。絵里さんの娘も「ばあばと一緒に選んだ服」と嬉しそうにしており、その様子を見て義母は「こんなに喜んでくれていたのね。今まで着られなくなったら譲ってと言ってしまって申し訳なかったわ。孫の気持ちを考えていなかった」と絵里さんに謝罪。絵里さんもこれまでの義母からの厚意や気遣いに対して感謝を述べ、「これからはご一緒に食事したり、いろいろな体験をしていきませんか? もちろんこれまでいろいろお気遣いくださった分、うちにも費用を出させてください。私たちもこれまで甘えすぎていたのかもしれません」と義母に伝えました。
娘と義母が楽しそうに話しているのを見つめながら、絵里さんはこれまでのわだかまりが少しずつほどけていくのを感じました。モノを通さなくても、こうして関係を育んでいけるのかもしれません。
[参考資料]
ハルメク 生きかた上手研究所「シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査」
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