LINEの誤送信で知った衝撃の事実
楽しいサークルの撮影旅行を終えた夜、スマホに通知が届きました。グループLINEに書き込まれた1つのメッセージ。すぐに削除されましたが、画面を開いた佐藤さんは、誤って送信されたであろう内容を見てしまったのです。
「次の飲み会、この店はどう? また佐藤さんが出してくれるだろ、ほんと助かるわ」
仲間内の個人トークをグループに誤送信してしまったのでしょう。すぐに削除されたため、送り主は気づかれまいと振る舞っていましたが、佐藤さんには十分でした。いつの間にか、ただの「財布係」として見られていたのかもしれない、という現実に直面したのです。
同時に気づきもありました。会社時代から自分が奢る裏には、「必要とされたい」「感謝されたい」という“承認欲求”があったこと。退職して役割を失った自分にとって、その感覚は何よりも心地よかった――。
急に冷静になった佐藤さんは、退職後の支出を見返しました。年金は妻と合わせて月26万円。住宅ローンも払い済みのため、普通に暮らしていれば年金の範囲内で暮らせているはずでした。
ですが、実際にはリタイア直後には2,800万円あった貯蓄を切り崩し続け、気づけば1年で300万円以上も減ってしまっていたといいます。
「頼られていると調子に乗って、結局いいように使われていたんだな……。こんなにお金を使ってしまっていたなんて、馬鹿だった」
人生の後半を支える本当の財産
「しばらくサークルには参加せず、一人で行ったり妻に付き合ってもらったり。案外それも楽しかった。でも、仲間が何回も心配して連絡くれてね。LINEを見た話をしたら、ものすごく謝られましたよ。その後は時々参加しています。もちろん、完全なる割り勘でね」
そう話す佐藤さん。退職後に直面する最大の変化は、収入の激減です。多くの場合、年金は現役時代の収入には遠く及びません。にもかかわらず、承認欲求や孤独感を埋めるために財布を開いてしまえば、老後資金はあっという間に減っていきます。
「奢らなければ続かない関係なら、それは本当に大切なつながりなのか」。 佐藤さんが気づいたのは、そのシンプルな真実でした。 老後を安心して過ごすためには、金銭でつながる関係ではなく、趣味や価値観そのものを共有できる人間関係を築くことが欠かせません。
財布を開かなくても一緒に笑える仲間こそ、人生の後半を支える本当の財産といえるでしょう。
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