慎ましい生活の中で、娘の未来を支える日々だったが…
地方都市で暮らす梅田美和子さん(58歳)は、7歳年上で定年を迎えた夫とアパートで二人暮らし。夫の年金月12万円と、夫のアルバイト収入・美和子さんのパート収入を合わせて、世帯収入は月28万円。
外食や旅行を楽しむことは、ほとんどありません。その理由は、遅くに授かった娘(当時大学2年生)の大学費用が必要だからです。
長男は独立済み。一方で、その下の娘は地元公立高校を卒業後、奨学金を借りて都内の私立大学へ進学。学費は夫婦が支払い、家賃や生活費は仕送りと奨学金、さらに娘自身のアルバイトで賄っていました。
美和子さんは毎月、家計をぎりぎりまで切り詰めながら、仕送り月8万円を娘に送金。支えてきました。しかし、その裏でまさかの事態が起きていたのです。
母に突きつけられた、恐ろしい告白
ある夜、美和子さんのスマホに短いLINEが届きます。
「お母さん、どうしよう。怖い。助けて」
慌てて電話をかけると、娘の声は震えていました。
「どうしてもお金が足りなくて。簡単に稼げると思って夜のバイトを始めたら、ある人につきまとわれるようになって。怖くて……どうしたらいいかわからない」
美和子さんは驚愕しました。物価上昇に伴い、娘の住むアパートの家賃が1万円値上げに。食費や日用品も軒並み値上がりする中で、時給1,200円程度のアルバイトでは、やりくりできなくなっていったのだといいます。
「お父さんとお母さんが、生活を切り詰めているの知ってたから、仕送りを増やしてとはいえなかった。時給の高いバイトに手を出したら、こんなことに……ごめんなさい……」
